主催: THE WEST-JAPAN SOCIETY OF NAVAL
p. 000012
アジア地区は海上輸送の最も急速な発展と変貌が見られる地域であり,アジア各国の海上輸送の整備と拡充を実現することは国際的に重要な課題である.海上輸送に関わる産業と技術の中心である日本にはこれらの開発を支援することが要請されており,また,この要請に応えることは日本の海事産業や学術が国際的なリーダーとして継続的に発展するための条件ともなっている. このような背景の下,広島大学では日本学術振興会の支援の下,日本・インドネシアを含むアジア地域の造船産業に関する総合的な現地調査を実施し,両国の造船産業の国際優位性,インドネシア造船産業の振興が遅れている原因,造船技術の技術移転の成功要因等について検討した. 本論文では,東南アジア諸国と日本の造船業の国際優位・劣位をアンケート調査に基づいて総合的に議論するとともに,その結果に基づいて,造船技術の技術移転の成功要因について考察する.