高アレスト鋼板を鋼構造物に適用することにより、構造物の安全性向上が期待されている。そこで表層超細粒鋼板(SUF鋼板)を開発し、既に大型船舶等に実適用いただいている。鋼板のアレスト性能評価法には、一般に大型破壊試験法である標準ESSO試験あるいは二重引張試験が用いられているが、これらの試験法では大きな試験片や大型破壊試験機が必要なため、当該試験法と同等の信頼性を有し、かつより簡便に試験できる簡易評価法の確立が望まれている。そこで、SUF鋼板を対象に、標準ESSO試験結果とNRL落重試験結果との相関関係を検討した。その結果、鋼板の板厚、鋼板内部のNDT温度、鋼板表層部のNDT温度を用いれば、温度勾配型ESSO試験により評価されていたアレスト性能を精度良く推定出来ることを知見し、アレスト性能推定式を提案した。