近年、環境問題が深刻化している。人間の生活や生産活動、さらには人間社会の拡大により、自然環境は大きな環境負荷圧力を受けている。特に海域においては、都市化に伴う埋め立て等の開発による直接的な圧力だけでなく、家庭排水等陸域の環境負荷物質が最終的にたどり着く場所になっているため、非常に大きな負荷がかかっている。環境問題への取り組み方として、人間の生活と環境保全とのバランスを取ることが求められているが、そのためには、海洋環境の価値を把握し、価値損失をミチゲートする代替案の検討が必要である。本研究では、海洋環境価値評価モデルの構築を目的とし、海洋環境が持つ環境価値を測定するために、仮想評価法(CVM)を用い博多湾を対象に調査を行った。そして博多湾が持つ環境価値、人工島建設の環境リスク評価を行い、モデルの適用の可能性を検証した。また、海洋環境改善のためのミチゲーションの有効性の検証を行った。