船体振動の応答を検討する場合、減衰量を定量的に推定することが必要であるが、減衰を構成する構造減衰と流体減衰についてはまだ未知な点が多く残されている。筆者等は、前報において、構造減衰が振動数に比例するのではなく振動節数に比例することを理論的,実験的に検証し、さらにレーリーの速度に比例する抵抗の概念を適用し、ポテンシャル場における付加質量と流体減衰の関係を明らかにし、減衰量を規定する抵抗係数の定量化を試みた。本報では、両端自由のビームを用いて端部に起振力を働かせることにより、ビームの振動節数と対数減衰率の関係に比例関係があることを実験的に明らかにし、前報での所論を確認すると同時に、流体減衰についても同様の確認を行った。さらに主船体と二重底構造の連成という複合振動場における付加質量の推定法について明らかにし、連成付加質量および二重底構造の面外振動時の付加質量についてもその計算法を明らかにした。この付加質量の推定により、複合振動時の付加質量および流体減衰力の計算を可能にする方法を明らかにした。