近年、造船業界においては生産性の向上が急務であり、石川島播磨工業(IHI)においてもこれまで単板工法による平板工場の自動化を実施してきた。単板とは複数のロンジ材(補強材)を1枚のスキンプレートに溶接したモジュール化ユニットであり、ライン生産によって量産化し、高能率生産を目指すものである。この単板の製作に際し、同時に最大5本のロンジ材を連続溶接出来る高速タンデムすみ肉CO2アーク自動溶接法を開発し実用化した。本装置の導入時、溶着金属にピットやブロホールなどの欠陥が多発したが、これらの欠陥はロンジに塗布した防錆用プライマーが原因であることがわかったため、プライマー塗布直後にブラッシングする装置を考案し、本装置を使ったロンジの溶接実験を繰り返した。その結果、ブロホールの発生を基準値内に収め高速溶接することが可能となった。本稿はそれらの確認試験と解決策について概説する。