1999 年 10 巻 6 号 p. 427-431
ダイオキシン・環境ホルモン汚染は従来の汚染とは質的に異なる構造をもっ。対策の遅れは, 種の存続の危機を招来しかねない。
わが国政府の対応は遅れている。しかし, それを批判だけしていても問題は解決しない。NGOが有効な政策を提言し, 実現させる必要がある。変革期には, むしろ大衆が先導的役割を果たすことは既に歴史が証明している。
政策の立案には, 学際的専門家と市民の協力が不可欠である。国民会議は, そのような活動を行う国民的組織として設立された。その提言は, 立法, 行政による取り組みを促し, ダイオキシン法の設立につながった。本稿では, 国民会議の設立経過とその政策提言活動を紹介する。