環境省では, 数次にわたり廃棄物処理法の改正を行ったほか, 「不法投棄撲滅アクションプラン」を策定し, 総合的な不法投棄対策を推進しており, その結果, 産業廃棄物の不法投棄件数および投棄量はピーク時の年40万tonに比べて約半減した。しかし, 依然として年20万tonレベルの不法投棄が発生しており, また過去に投棄された廃棄物が残存している。そこで, 投棄された廃棄物に起因する生活環境保全上の支障等の除去を代執行により行う都道府県等に対して, 産業廃棄物特別措置法および廃棄物処理法に基づく支援制度が設けられている。本稿においては, これら産業廃棄物の不法投棄等の現状と環境省における対策の動向について述べる。