廃棄物学会誌
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コンポスト化技術に関する研究の現状と今後の展開
金子 栄廣中崎 清彦
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2008 年 19 巻 6 号 p. 264-270

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抄録

コンポスト化はバイオマス系廃棄物の処理と資源化を同時に図る技術として古い歴史を持つ。しかし, 反応の複雑さなどの理由から, その反応機構の科学的理解が立ち遅れてきた面がある。理解を深めることはこの技術をさらに改善発展させる上で重要である。また, 製品品質の向上は, この技術の普及促進を図る上で欠かせない。
本稿では, これら問題の克服を目指した研究に焦点を当て, それぞれの現状と今後の展開について述べた。反応の理解を深めるという観点からは, 反応の数理モデル化とシミュレーション, ならびにコンポスト中微生物系の解析を取り上げた。また, 製品品質向上の観点からは, 生ごみ分別排出の徹底を促進するための生分解性プラスチック製ごみ袋の利用に関する研究, ならびに機能性コンポスト製造などに欠かせない特殊機能を持った種菌の利用と機能維持に関する研究を取り上げた。

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© 一般社団法人 廃棄物資源循環学会
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