廃棄物学会誌
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有害廃棄物問題の展望
中杉 修身
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1991 年 2 巻 1 号 p. 21-28

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抄録

廃棄物問題は量的にも埋立処分地の逼迫など困難な問題を抱えているが, 質的にも, (1) 管理が必要な有害化学物質が増加する, (2) 廃棄物処理によるクロスメディア汚染の影響に対処する必要がある, (3) 跡地開発に伴い多量の汚染土壌が排出される, (4) 処理困難な廃棄物が増加するのに対し, 処理体制の整備が追いつかず, 不適切な処理が増大する, (5) 国際的な規制に対する調和が求められることなどによって, 有害廃棄物の管理がますます困難なものとなると予想される。
有害廃棄物を適切に管理していくには, 4つの対策を順番に実施していく必要がある。 (1) 製造段階で有害化学物質の使用量をできるだけ削減すること。 (2) 廃棄物中の有害化学物質をできるだけ回収すること。 (3) それでも排出される有害廃棄物は適切な方法で処理して無害化すること。 (4) 無害化できない有害廃棄物は永久に保管すること。

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© 一般社団法人 廃棄物資源循環学会
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