1996 年 7 巻 6 号 p. 445-455
最近, ごみ処理費用のいわゆる有料化政策に対する関心が高まっている。ごみ処理費用を税金等で負担するのではなく, 受益者のサービスの程度に応じて負担してもらう従量制による有料化政策の有効性が注目されている。本稿では, 有料化政策に関して, 廃棄物経済学的に接近し, 部分均衡論的な基礎理論をまず構築する。さらに, 有料化政策の有効性を総合評価するための費用便益分析的なフレームワークを展開する。わが国の多くの地方都市で実施されている有料化政策に関する実態を調査し, 特に有料化政策の減量化効果の実証分析を行う。さらに, 正味の経済的節約額の評価を行う。大都市に有料化政策を導入した場合のシミュレーション実験を行い, 大都市においても有料化政策が有効なことを明らかにする。