X線分析の進歩
Online ISSN : 2758-3651
Print ISSN : 0911-7806
原著論文
寛永通宝における主要金属元素の分布測定
村松 康司大江 剛志小川 理絵西埜 誠大野 ひとみ内原 博衣川 良介
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キーワード: 蛍光X線, 元素分析, 寛永通宝
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2011 年 42 巻 p. 307-313

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抄録

「寛永通宝」における磁化率の分布を解明するため,蛍光X線分析により主要金属元素(Cu, Zn, Fe, S, Cl, Pb, As, Ca)の濃度分布を測定し,特にFeに注目して磁化率との相関を調べた.その結果,いずれの個体もCuとZnを主成分とする黄銅(銅亜鉛合金)からなることを確認した.また,FeとSの濃度が個体間で異なるものの,Feの濃度分布と磁化率分布との相関は確認できなかった.寛永通宝における磁化率は単純にFeの濃度では説明できない.

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© 2011 公益社団法人日本分析化学会 X線分析研究懇談会
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