2019 年 11 巻 2 号 p. 165-172
要 旨:医療における薬剤師の役割を検討するために,直近3 改定分の「診療報酬改定に係るこれまでの議論の整理」をテキストマイニングにより解析した.共起ネットワーク分析では,「入院」「患者」「見直し」などの語句が強く結びついた群が形成され,「患者」が「薬局」「薬剤」「管理」や,「在宅」「訪問」「看護」などの語群とも結びつくことが判明した.さらに,対応分析では,2014 年度に「病院」「在宅」といった医療を受ける場所に関する語句が配置されたのに対して,2016 年度では「医師」「薬剤」といった治療に関する語句が,2018 年度では「入院」「療養」「外来」といった医療機能に関する語句や,「地域」「訪問」「支援」といった地域における患者ケアに関する語句が配置された.薬剤師の役割を地域医療にシフトさせる行政の方針が明確になった.