YAKUGAKU ZASSHI
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一般論文
Evaluation of the Method for Nifedipine Administration for a Rapid Onset of Clinical Effect:
A Clinical Study in Normal Volunteers
Rie KUBOTATakako KOMIYAMAHideyo SHIMADA
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2001 年 121 巻 5 号 p. 355-364

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抄録

一時的な血圧上昇を来した患者に対して直ちに降圧作用を期待する場合には, 血管拡張薬の注射剤が投与されることは少なく, ニフェジピンが舌下投与をはじめとする様々な方法で投与されている. 今回, 繁用されている4種類の投与方法(カプセルをかみ砕いて飲み込む, カプセルに穴をあけて舌下に保持する, カプセル内容液をシリンジで抜き取り飲み込む, シリンジを使用して点鼻投与する)の有効性と安全性, 使用性を評価するため, 6名の健康成人についてクロスオーバー臨床試験を実施し, 即効性を期待する時のニフェジピン最適投与方法を検討した. 各投与方法において, 収縮期血圧と拡張期血圧は, ニフェジピンの血中濃度と相関性を示した. またニフェジピンの薬物動態は4種類の投与方法によって異なり, 消化管からの吸収ばかりでなく, 口腔粘膜や鼻粘膜からの吸収も速やかであった. 降圧作用も点鼻投与, 舌下投与で優れていた. しかし点鼻投与は, カプセル内に添加されているハッカ油が鼻粘膜を刺激する. 迅速な降圧作用を期待する時の臨床使用には, カプセルに1箇所穴を開けて舌下投与する方法が, 即効性と簡便において最も適していた.

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© 2001 The Pharmaceutical Society of Japan
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