YAKUGAKU ZASSHI
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ブタ精巣20β-ヒドロキシステロイド脱水素酵素に及ぼす各種ステロイド代謝酵素阻害物質の阻害効果
中陳 静男大野 修司青木 正忠篠田 雅人
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1988 年 108 巻 12 号 p. 1219-1222

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抄録

ステロイドホルモンの生合成はその産生臓器である精巣, 副腎, 卵巣, 胎盤等においてコレステロールを原料として行われている. その生合成はステロイド内の炭素-炭素間の切断, 特定の位置への水酸基の導入, 水酸基とカルボニル基間の相互変換, 水素原子の付加反応など各反応を触媒する酵素により一定の順序により行われている. 特に水酸基とカルボニル基間の立体特異的な相互変換, すなわち酸化還元反応はヒリジンスクレオチド依存性のヒドロキシステロでド脱水素酵素によって触媒されている.
最近, 著者らはブタ精巣可溶性画分にビリジンヌクレオチド依存性で, C21-ステロイドであるpregnaneの20位の力ルボニル基を20β (R)-ヒドロキシ体に還元する20β-ヒドロキシステロイド脱水素酵素 (20β-HSD) が存在し. 幼若時にその活性が著しく高いことを明らかにした. 更に酵素化学的あるいはタンハク化学的性質を明らかにする目的で本酵素の精製を試な, その精製, 純化に成功した. 今後本酵素の精巣におけるアンドロゲン生合成との関連や生理的意義が明らかにされるものと思われる.
本論文ではステロイドホルモン生合成に関与している水酸化酵素. リアーゼ及び脱水素酵素の阻害物質として知られている各種化合物をとりあげ, 精巣20β-HSDに及ぼす阻害効果を検討した.

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