山口医学
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症例報告
酸化マグネシウム製剤服用による大腸多発腸石の一例
川野 道隆白井 保之松永 一仁白澤 友宏松永 尚治横山 雄一郎野原 寛章近藤 哲新開 泰司斎藤 満
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キーワード: 酸化マグネシウム, 腸石
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2013 年 62 巻 1 号 p. 55-59

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抄録

真性腸石の本邦報告例は少数に過ぎない.酸化マグネシウム製剤の長期内服により大腸内多発腸石を来した稀な1例を報告する.症例は70歳代,女性.腰椎圧迫骨折,尿路感染症で入院したが,入院中に脳梗塞を発症し寝たきりとなった.便秘に対して酸化マグネシウム製剤を開始した約3年後に腹部膨満が悪化した.腹部CTで大腸内に多発する1cm大の石灰化を有する構造物を認め,下部消化管内視鏡検査では大腸内に多発する黄白色の腸石を認めた.結石分析検査で炭酸マグネシウム結石が疑われたため,酸化マグネシウム製剤の長期投与により形成された腸石を疑い,酸化マグネシウム製剤の中止と排便コントロールを行い,2週間後の腹部CTで腸石は消失した.これまでの真性腸石の本邦報告例では狭窄,憩室などの器質的因子が明らかであることが多いが,本症例では明らかな器質的因子はなく,寝たきりの状態による腸管運動機能の低下や腸管拡張が停滞因子となり腸石形成に関与したと考えられた.

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© 2013 山口大学医学会
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