山口医学
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症例報告
診断に苦慮したANCA関連血管炎性中耳炎の一例
沖中 洋介菅原 一真津田 潤子田中 邦剛金川 英寿下郡 博明山下 裕司
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2015 年 64 巻 3 号 p. 213-216

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抄録

多発血管炎性肉芽腫症は,細小動静脈や毛細血管などの小血管を主病変とし,全身に症状を呈する炎症性疾患である.最近では,この疾患群の中で,MPO-ANCA陽性で急激に進行する感音難聴を伴った難治性中耳炎の報告が増加している.これらは共通した臨床像を呈し,ANCA関連血管炎性中耳炎と呼ばれている.本疾患を治療する上では,全身に症状を呈する可能性があること,脳神経症状を続発し,死亡に至る例も存在することから,耳鼻咽喉科だけではなく,内科を含めた多くの診療科の関与が必要である.今回,我々は,難治性中耳炎の治療経過中に進行性感音難聴をきたし,最終的にANCA関連血管炎性中耳炎と診断された1例を経験したので,文献的考察を加えて報告する.

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© 2015 山口大学医学会
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