山口医学
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症例報告
Strip biopsy法で切除したラズベリー様腺窩上皮型胃癌の1例
藤村 寛之西川 潤浜辺 功一和泉屋 勇太松本 怜子吉冨 晋悟伊藤 駿介山岡 祐子白澤 友宏五嶋 敦史橋本 真一岡本 健志星井 嘉信坂井田 功
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2021 年 70 巻 1 号 p. 53-58

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抄録

 症例は38歳,男性.近医で施行された上部消化管内視鏡検査で,胃穹窿部に隆起性病変を認めた.生検でGroup4であったため,精査加療目的に当院を紹介受診した.当院での上部消化管内視鏡検査では胃穹窿部にラズベリー様の5mm大の発赤調,亜有茎性の隆起性病変を認めた.背景粘膜に萎縮性胃炎は認めず,Helicobacter pyloriは陰性であった.Strip biopsy法により内視鏡的に切除を行い,病理組織学的には腺窩上皮型胃癌であった.本邦報告例では,ラズベリー様腺窩上皮型胃癌は,数mm大の粘膜内癌で,一般的にESDの治療難易度が高いとされるU,M領域の大彎や胃穹窿部に発見されており,簡便に短時間で治療が可能であるStrip biopsy法の良い適応と考える.

 今回,Strip biopsy法で切除したラズベリー様腺窩上皮型胃癌の1例を経験したので,文献的考察を加え報告する.

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© 2021 山口大学医学会
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