2006 年 12 巻 1 号 p. 107-114
本研究の目的は, 慢性腰痛に対するカイロプラクティック治療の有効性について, アウトカム指標を用いて明らかにすることである. 2005年度に竹谷内クリニックを受診した患者のうち, 一定の条件を満たした慢性腰痛患者の50例 (男性13例, 女性37例, 平均年齢48.6歳) を対象とした. 初診時治療前と最終経過観察時において, 腰痛の程度をVAS値, 腰痛関連機能障害をRoland-Morris Disability Questionnaire (RDQ) で評価した. さらに, 腰痛関連機能障害の重症度を評価した. その結果, 腰痛VASとRDQスコアは治療前に比べて優位な改善を示した. また, 腰痛関連機能障害の重症度も改善傾向が認められた. この事実は, カイロプラクティック治療が慢性腰痛に有効である可能性を示唆している. 今後は, より質の高い臨床研究を行い, カイロプラクティックの慢性腰痛に対する有効性を明らかにする必要がある.