日本腰痛学会雑誌
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当院における「腰痛クリニック」の長期的治療成績
篠原 晶子池田 章子矢部 嘉浩
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キーワード: 腰痛, 保存療法, 追跡調査
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2008 年 14 巻 1 号 p. 102-107

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抄録

当院で行う腰痛専門外来「腰痛クリニック」の長期的な効果について検討を行った.方法は,初診から1年以上を経過した症例に対して郵送によるアンケートを行い,症状の変化(VAS,ADLスコア)と腰痛の再発状況について調査した.アンケートの回答は141例中89例から得られ,回収率63.1%であった.対象者89例の平均年齢は45.2歳(22~73歳)で,初診から調査までの期間は平均3年であった.疾患名は,椎間板障害が77.5%であった.腰痛クリニック初回時から調査時までの症状の推移は,VASおよびADLスコアいずれも有意に改善がみられ,腰痛クリニック終了時の改善された状態は維持されていた.腰痛の再発は62例(70%)に認められたが,そのうち病院を受診したのは14例で,病院の受診状況からみると対象者の75例(84%)が自己対応できていた.当院で行う「腰痛クリニック」は,腰痛に対する自己対応が獲得でき,その効果は長期的に期待できるものと考えられた.

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© 2008 日本腰痛学会
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