日本腰痛学会雑誌
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[投稿論文]
腰椎椎間関節部骨片の診断と臨床的意義
秋山 寛治
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2008 年 15 巻 1 号 p. 165-172

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抄録

腰椎椎間関節部骨折は,関節突起部にも稀に生ず.当院スポーツ外来にて腰痛の原因を知る目的で行った腰椎レントゲンやCT検査で,椎間関節内骨変化を確認した患者の臨床経過や画像所見について後ろ向きに調査し,意義を検討した.下関節突起に骨片がみられた例は8例であった.6例は臨床所見と一致したが,2例では該当椎間関節部に症状を呈していなかった.上関節突起に骨片がみられたのは6例であった.このうち3例は,圧痛やKemp兆候が見られず,骨化障害の可能性も考えられた.椎間関節内骨折は,CTのみで所見が得られる場合があるため,症状の程度によってはCT検査を検討すべきである.ただし,CTのみで骨片を確認できる例の経過はおおむね良好であった.

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© 2008 日本腰痛学会
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