日本腰痛学会雑誌
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製造業を中心とした企業関連施設における腰痛の現状と対策
萱岡 道泰伊地知 正光
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2001 年 7 巻 1 号 p. 94-99

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抄録

某企業関連施設での腰痛に対するアンケート調査の結果と外来診療状況をまとめて報告する.男性では69.3%に,女性では60.9%に腰痛経験があった.男性で就業年数別に腰痛経験をみると,半年から1年の層で66.3%と高率となっていた.腰痛を起こしやすい姿勢や動作についての知識については,知らないものと覚えていないものが60%を占めていた.治療の内容と施設別にみると,手術加療者,施設内整形外科,整形外科,民間医療受診者の順で理解度が高く,また就業年数とともに習得されていた.腰痛による外来受診者の通院状況は,1週間以内で約70%を占めていた.通院回数は,1∼55回(平均3.2±5.7回)で,手術を要したものが4名(0.9%)であった.年齢層別にみると,有意差はないものの25歳以上で外来受診者が増加し,1カ月より長期の通院割合も増加していた.以上のことから,新入社員に対する早期の教育がまず重要と考えられた.

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© 2001 日本腰痛学会
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