抄録
治療前に, MRI画像上ヘルニアmassを確認できた腰椎椎間板ヘルニア症例に対し保存的治療を行い, それらの追跡調査から保存的治療の有用性について検討した.対象は56例で, 男性35名, 女性21名で, 初診時年齢は14~55歳, 平均34歳で, 治療開始後の追跡期間は12カ月~30カ月であった.症状が消失した例は45例 (80%), なんらかの症状があり通院中は9例 (16%), 手術例は2例 (3.5%) であった.症状消失例の保存的治療期間は平均7.1週であった.初診時のSLR程度と保存的治療の改善度とは明らかな関係は認めなかった.ヘルニアmassの縮小例は明らかに存在することおよび平均7.1週で80%前後の患者が症状の消失をみたことから, 保存的治療成績は良好で, その有用性を確認した.したがって, 患者の機能障害の程度が手術適応を決め, 社会的背景が許せば, 十分な保存的治療を行った後で手術は考慮されるべきと考える.