日本腰痛研究会雑誌
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腰部脊柱管狭窄症に対する保存的治療例の検討
増本 眞悟今井 健
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1997 年 3 巻 1 号 p. 45-48

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抄録
当院に入院し保存的治療を行った腰部脊柱管狭窄症51例の臨床症状と画像所見を検討した.入院時評価は症状を単根性, 多根性, 馬尾性に分類し, 重症度を歩行能力とJOA scoreで評価, 画像は脊髄造影狭窄度と脊髄造影後CT (以下CTM) の計測で評価した.予後は直接検診および電話アンケートによりADLを中心に4群に分類し評価を行った.症状は全例が神経根性で馬尾性はなかった.これは, 馬尾症状例の全例が再発し手術を受けていたためで, 馬尾症状例の手術の必要性の高さがうかがわれた.画像評価と臨床症状の検討では, 脊髄造影狭窄度, CTM計測値ともに重症度および予後と有意な相関を認めなかった.入院時重症度と予後との検討では, JOA scoreが予後と有意に相関し予後を予測する上での一つの指標になると思われた.
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