日本養豚学会誌
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Print ISSN : 0913-882X
原著
ミトコンドリアDNA情報にもとづく沖縄,奄美在来豚の系統遺伝学的研究
高田 勝岡 孝夫高橋 遼平野村 こう花田 博文天野 卓秋篠宮 文仁
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2008 年 45 巻 4 号 p. 187-192

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抄録

沖縄にはアグーとアヨーと呼ばれる在来豚が存在する。これらの在来豚は畜産分野などから高い注目を集めつつあるが,その遺伝的背景はいまだ明らかではない。本研究ではミトコンドリアDNA(mtDNA)の解析から,沖縄在来豚の遺伝的背景を明らかにする事を目的とした。供試動物として沖縄で飼育されている来歴の明確なアグー,アヨーおよび奄美大島在来豚である大島島豚各6個体を用い,mtDNA D-loop領域の塩基配列を決定し,解析を行なった。沖縄・奄美在来豚18個体で2つのハプロタイプ(アグーと大島島豚で1つ,アヨーで1つ)が認められた。沖縄・奄美在来豚は3品種とも品種復元のため,他品種との交雑が繰り返されてきた。アグー,大島島豚とアヨーが異なる配列を示したことは,そのような品種の歴史を反映しているものと推察された。また,沖縄在来豚の遺伝的多様性は低く,その近交度も高いものと推察された。本研究結果に既報の家畜ブタおよびイノシシの塩基配列を加え,NJ系統樹を作成した結果,沖縄・奄美在来豚はアジア家畜ブタおよびアジアイノシシと同じクラスターに含まれた。さらに,アヨーはニホンイノシシを含むサブクラスターに,アグーや大島島豚はバークシャー種や大ヨークシャー種などの欧米品種をわずかに含むサブクラスターに含まれた。

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© 2008 日本養豚学会
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