日本養豚学会誌
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原著
暑熱環境下の肥育豚へのアミノ酸強化飼料の給与が飼養成績および血漿中遊離アミノ酸濃度に及ぼす影響
山崎 信井上 寛暁松本 光史高田 良三
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2019 年 56 巻 3 号 p. 97-105

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抄録

暑熱環境下の肥育豚の飼養成績改善の可能性を検討するために,2つの試験を行った。試験1では飼料中リジン含量を要求量の100%および200%に調製した2種類の飼料を,常温(22°C)および暑熱(32°C)環境下の肥育豚に4週間給与した。試験2では暑熱(32°C)環境下の肥育豚に,飼料中リジン含量が要求量の100% (32°C-L100区)および200%の飼料(32°C-L200区),リジン含量が200%の飼料にトレオニンとメチオニンをリジンに対する比率が理想パターンになるように添加した飼料(32°C-LTM区)の計3種類の飼料をそれぞれ4週間給与するとともに,リジン含量が100%の飼料を常温(22°C)環境下の肥育豚に同様に給与した(22°C-L100区)。いずれの試験とも,試験開始前,試験開始2および4週間後に血漿中の遊離アミノ酸濃度を測定した。試験1の結果,飼料摂取量は32°C区が22°C区よりも少なくなる傾向がみられたが,日増体量および飼料効率に飼料中リジン含量および環境温度の影響は認められなかった。血漿中遊離リジン濃度は,試験開始2および4週後においてリジン200%飼料給与区が100%飼料給与区よりも有意に高い濃度となった。試験開始4週後の血漿中遊離リジン,トレオニンおよびメチオニン濃度は,32°C区が22°C区よりも有意に低くなった。試験2の結果,日増体量は32°C-L200区が22°C-L100区よりも有意に低くなった。飼料摂取量および飼料効率は各区間に差は認められなかった。試験開始2および4週後の血漿中の遊離リジン濃度は,32°C-L200区および32°C-LTM区で有意に高くなった。血漿中の遊離トレオニンおよびメチオニン濃度は,試験開始2および4週後において,32°C-LTM区が他区よりも有意に高くなった。

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