日本養豚学会誌
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プライマリーSPF豚の発育と血液性状
金子 晴寿斉藤 庸二郎本庄 章
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1987 年 24 巻 4 号 p. 212-217

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抄録

プライマリーSPF子豚の生理的特性を明らかにするため, 初乳を給与した一般子豚との発育および血液性状について比較検討した。供試プライマリーSPF子豚は子宮切断法により作出したLW種4腹28頭, また一般豚は自然分娩したLW種4腹20頭である。
生時体重は両者とも1.3kgであったが, 一般豚の4週齢時における平均体重は7.5kg, またプライマリーSPF子豚は平均4.5kgであった。一般豚およびプライマリーSPF子豚の体重30kg到達日齢はそれぞれ65日および73日であった。それ以降90kgまでの1日平均増体重は711gおよび788g, また飼料要求率で3.29および2.83であり, いずれもプライマリーSPF子豚がすぐれていた。一方, 血液性状のうち赤血球およびヘマトクリット値ではプライマリーSPF子豚が2カ月齢まで一般豚のそれらと比較して高く推移した。
白血球は1週齢で一般豚9990個/mm3, プライマリーSPF子豚6640個/mm3であったのが2カ月齢でそれぞれ18,000個/mm3, 7,500個/mm3となった。血清総蛋白およびアルブミン量は1週齢でプライマリーSPF子豚は一般豚の約1/2の値であったが2ヵ月齢でほぼ一致した。
γ-グロブリンはプライマリーSPF子豚は4週齢までほとんど検出されず, 3ケ月齢で一般豚の12.7%に対し約半分の6.1%であった。

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