日本養豚学会誌
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種豚改良のための経済育種価と選抜指数に関する事例的検討
杉本 隆重高橋 弘新部 昭夫Allan SCHINCKEL
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1988 年 25 巻 4 号 p. 171-180

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抄録

最近, 種豚の選抜は, 小型コンピュータの発達により, 推定育種価による方法が用いられるようになってきた。
養豚では, 育種目標に複数の形質が考慮されなければならない。このため, 各形質が遺伝的に1単位改良されることによってどれだけの経済価値を生ずるかを考慮し, 各形質を相対的に重み付けした選抜インデックスが必要となる。
本論は, 養豚農家の事例調査を基に, 通常最も選抜に考慮され, しかも経済効果の高い生存産子数, 1腹当りの総体重, 出荷体重到達日齢, 背脂肪厚, 飼料要求率の各形質について, 改良1単位当りの経済価値を計算した。
これらの値を用い, 交配方法によって特定雌の系統作出のためのインデックス, 輪番交配のためのインデックス, 止め雄として用いる場合のインデックスを開発した。特に, 米国では, 背脂肪厚に対する価値が薄くなればなるほど価値が増す指標であるのに対し, 本論では, 厚過ぎても薄過ぎても価値が下がることを考慮した指標を採用している。また, 日本は米国に比べ, 1母豚当りの人件費や, 飼料費が高いことにより, 1腹当りの総体重より生存産子数の増加が経済価値を大きくすることが分った。

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