日本養豚学会誌
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選抜指数法にもとづく簡便計算法とBLUP法による種豚評価の比較
杉本 隆重新部 昭夫高橋 弘赤地 勝美
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1991 年 28 巻 2 号 p. 114-119

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抄録

われわれは, 同期比較法により, 選抜対象となる個体とその血縁個体の推定育種価を求め, さらに選抜指数法に基づく簡便計算法で正確度 (Accuracy) の高い個体の推定育種価を計算する方法をシステム化し, 既に実用に供している。この方法によれば, 小型コンピュータを利用して, 成長速度に関する形質ばかりでなく繁殖関係の形質 (生存産子数や21日齢1腹子豚体重等) についても個体ごとに推定育種価を計算することができるので, 農家での種豚選抜が可能となる。一方, 現在, 乳用種雄牛の選抜方法の主流となっている最良線型不偏予測 (BLUP) 法は, 正確度の点で最も優れてはいるが, 多くの計算が必要である。
本論文では, これら二種類の方法で, デュロック種の種雄豚45頭について, その子豚4,852頭の検定記録を用いて, 体重が105kgに到達した日齢と背脂肪厚の推定育種価を求め, 能力順位の比較をおこなった。その結果, 上位30%選抜ではBLUP法で選抜された個体の86%~93%が選抜指数法でも選抜されており, 簡便法の実用性が示された。現在, 正確度をあまり落さずに計算量を節減するための研究が行れている。

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