日本養豚学会誌
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豚肉の保存, 調理法が官能検査に及ぼす影響
唐沢 恵子高崎 禎子渋谷 立人青木 圭伊藤 米人内田 哲二北村 雅彦條々和 実
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1994 年 31 巻 4 号 p. 121-127

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抄録

優良系統豚を利用した良食味豚肉の開発に関する研究の中で, 豚肉の食味性について検討を試み, 官能検査に係わる以下の結果を得た。
(1) 官能検査における豚肉の調理条件は, 厚さ2.5mmで一定とし, 試料の2倍量の1.5%食塩水を用いた時, 肉本来の味の判定がしやすいことが分かった。
(2) 冷凍肉は解凍によって, 水分6~8%, タンパク質3~4%が失われ, 官能検査の「多汁性」に影響を与えた。
(3) 肉は加熱調理により, 重量, 表面積は減少し, 厚さは増加したが, その程度はいずれも冷蔵に比べ冷凍の方が大となった。
(4) 肉の硬さは加熱により3~4倍に増加したが, 冷凍は冷蔵より厚くなったにもかかわらず, 官能検査では「軟らかい」と評価された。
(5) 肉の冷凍保存は官能検査に多くの影響を及ぼした。冷凍に際しては, 凍結, 包装, 保存温度など, 各条件を統一する必要がある。

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