日本養豚学会誌
Online ISSN : 1881-655X
Print ISSN : 0913-882X
ISSN-L : 0913-882X
豚初乳ペプチドの加水分解によるアミノ酸濃度の動態
岩澤 季之楢崎 昇八木 康一
著者情報
ジャーナル フリー

1997 年 34 巻 1 号 p. 9-14

詳細
抄録

新生子豚の栄養生理を把握する一環として, 豚初乳のペプチドおよび脱脂乳の全蛋白質を加水分解してアミノ酸とし, それらの動態を分娩直後から分娩後1週間にわたり比較検討した。
ペプチドを構成するアミノ酸は Proline (Pro) が常に最も多く存在し, ペプチド全体の27~30%を占めた。Proのほか Glutamate+Glutamine (Glu+Gln) および Glycine も他のアミノ酸に比較して著しく高い値を示したので, これらのアミノ酸のみで全体の68~75%を占めた。必須アミノ酸では Arginine が最も多く, 必須アミノ酸の34~48%を占めた。全蛋白質のアミノ酸はGlu+Glnが常に最も多く, Pro, Leucine, Aspartate+Asparagine がこれに次いだ。Methionine および Cystine はペプチド構成および全蛋白質のいずれにおいても最も少ないアミノ酸であった。
ペプチド構成の各アミノ酸は大部分が経時的に比較的安定して推移したが, 全蛋白質の各アミノ酸濃度はMetを除いて分娩直後から24時間後にかけて2/5~1/2に著しく減少し (p<0.05), その後は1週間後まで緩やかに減少した。このため, 全蛋白質のアミノ酸総量に占めるペプチド構成のアミノ酸総量の割合は分娩直後では3.6%であったが, その後は直線的に増加して1週間後には13.6%となり, 常乳期にかけてペプチドの割合が高まることがわかった。
従って, ペプチドが乳期に関係なく乳汁中に豊富に存在したことは, 消化生理が未発達な新生子豚の蛋白質代謝を円滑にする上でペプチドが重要な役割を果たしていると推察される。

著者関連情報
© 日本養豚学会
前の記事 次の記事
feedback
Top