日本養豚学会誌
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体重90kg時の雄豚の生殖器の大きさと体型, 産肉性との関係およびその遺伝
河野 建夫榊原 徳造
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1997 年 34 巻 3 号 p. 93-98

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抄録

大ヨークシャー雄豚429頭を用い, 体重90kg時の生殖器の大きさを調査した。併せてそれらと体型, 産肉性との関係およびその遺伝について分析した。調査項目は精巣重量, 同長径, 同短径, 精巣上体重量, 精嚢腺重量, 前立腺重量, 尿道球腺重量および陰茎長で, それぞれの平均値は, 195.3g, 9.9cm, 6.4cm, 39.2g, 132.6g, 4.9g, 48.2gおよび40.6cmであった。各器官とも, 重量については個体変動が大きかった。左右間の比較では, 精巣重量および同長径において左が大きく (P<0.01), 同時に左が大きい個体の出現率も高かった(P<0.01)。生殖器間の表型相関は, 精巣短径と陰茎長間を除きいずれも有意 (陰茎長と精巣重量および同長径間のみP<0.05, 他はP<0.01) であった。胸囲はすべての調査項目と正の相関関係 (陰茎長のみP<0.05, 他はP<0.01) に, また1日平均増体重はすべての調査項目と負の相関関係 (陰茎長のみP<0.05, 他はP<0.01) にあった。分散共分散分析法による両親成分からの遺伝率推定値は, 各項目それぞれ0.46, 0.67, 0.48, 0.50, 0.40, 0.52, 0.71および0.45であった。供試豚以外で, 単睾を呈した23頭の雄豚の精巣は正常雄豚のそれより明らかに大きく (P<0.01), 代償発育の可能性が示唆された。

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