日本養豚学会誌
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体重90kg時の雌豚の生殖器の大きさと体型, 産肉性との関係およびその遺伝
河野 建夫榊原 徳造
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1997 年 34 巻 3 号 p. 99-105

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抄録

大ヨークシャー雌豚315頭を用い, 体重90kg時の生殖器の大きさ (長さおよび重量) と体型, 産肉性との関係およびその遺伝について分析した。生殖器の大きさは, 総重量197.5g, 外陰部面積9.8cm2, 膣前庭長7.6cm, 同重量41.1g, 膣長6.0cm, 同重量22.8g, 子宮頚長12.2cm, 同重量45.8g, 子宮角 (左右平均) 長45.2cm, 同重量30.9g, 卵管 (左右平均) 長17.7cm, 同重量2.21g, 卵巣 (左右平均) 重量2.77gであった。いずれも個体による変動が大きく, 特に重量面でその傾向が強かった。卵管長, 同重量および卵巣重量において, 左右間に有意差が認められ, いずれも左側が大きい傾向にあった (各P<0.01, P<0.05, P<0.01)。生殖器総重量は, 体高の高い豚 (P<0.05) ほど, また発育の遅い豚 (P<0.01) ほど大きい傾向にあった。外陰部の大きな豚は内部生殖器も大きい傾向にあった。生殖器各部位の遺伝率推定値は, 総重量0.716, 外陰部面積0.563, 膣前庭長0.269, 同重量0.692, 膣長0.350, 同重量0.829, 子宮頚長0.402, 同重量0.632, 子宮角長0.665, 同重量0.596, 卵管長0.493, 同重量0.492, 卵巣重量0.323と, おおむね中程度以上の値を示した。

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