日本養豚学会誌
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豚における低タンパク質飼料へのビートパルプの添加による尿中窒素排せつ量およびふん尿混合物からのアンモニア揮散量の低減
山本 朱美伊藤 稔古川 智子長峰 孝文亀岡 俊則古谷 修
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2003 年 40 巻 3 号 p. 135-140

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抄録

アミノ酸添加の低タンパク質飼料への乾燥ビートパルプ添加による尿中への窒素排せつ量およびふん尿混合物 (スラリー) からのアンモニア揮散量低減効果について調べた。体重約35kgの豚4頭を代謝ケージに収容し, 2頭には粗タンパク質 (CP) 含量の低い低CP飼料を体重の3% (低CP区, CP11.33%), 他の2頭には低CP飼料にビートパルプ (CP7.78%) を外付けで30%添加 (飼料配合割合としては23.08%, 低CPビートパルプ区) した飼料を体重の3.9%給与した。4日間の馴致期間の後, 尿とふんを3日間全量採取した。1期目の試験が終了後, 供試飼料を切り替えて2期目の試験を7日間行った。また, 別の豚4頭を用いて2回目の試験を実施した。なお, 1回目の試験では, スラリーからのアンモニア揮散量をインビトロ法で測定した。得られた結果は以下の通りであった。1日当たりの窒素摂取量は低CP区と低CPビートパルプ区で, それぞれ23.6および25.4gとほとんど変わらなかった。ふん中窒素排せっ量はそれぞれ4.7および9.7gで, 低CPビートパルプ区で有意に (P<0.001)多かったが, 尿への窒素排せっ量はそれぞれ10.3および5.6gと低CPビートパルプ区で有意に (P<0.001) 低くなった。1日当たりのアンモニア揮散量はそれぞれ722および359mgと低CPビートパルプ区で有意に低くなった (P<0.01)。培養前および培養後のスラリーのpHは, 低CP区に比べ低CPビートパルプ区でそれぞれ, 1.66および0.91単位と有意に低くなった (P<0.05)。肥育豚でアミノ酸添加低CP飼料にビートパルプを添加給与することにより, 尿中への窒素排せつ量およびスラリーからのアンモニア揮散量が著しく減少することが明らかとなった。

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