有機合成化学協会誌
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検知管による酸化エチレン蒸気の迅速定量法
小林 義隆
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1955 年 13 巻 12 号 p. 596-600

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抄録

検知管法による酸化エチレン蒸気の定量法について研究を行つた、先ず, 酸化エチレン蒸気により鋭敏に着色する検知剤について検討した結果, シリカゲル粒に硫酸酸性の重クロム酸カリ溶液を吸着させて乾燥したものは酸化エチレン蒸気に触れ直ちに燈黄色より暗黄緑色に変ることを見出したのでこれを用いて検知管を作製し, 次の2方法によつて空気中の酸化エチレン濃度を測定した。(1) 測長法: 試料空気100ccを送入速度F=1cc/secにて検知管に送入し, 生じる着色層の長さから蒸気濃度を求めた。測定範囲: 0.01~3.0vol%で比較的高濃度の測定に適する。(2) 測容法; 酸化エチレン0.1%を含有する試料空気100ccを送入速度F=1cc/secで検知管に送入した場合生じる着色層と, 等しい長さに着色する迄に要した送入空気体積から微量の蒸気濃度を求めた。測定範囲: 30~5, 000p.p.m.(0.003~0.5vel%) で恕限度附近の微量濃度の測定に適当である。

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