有機合成化学協会誌
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1, 4-ナ7トキノの利用に関する研究 (第3報)
1, 4-ジオキシナフタリンモノメチルエーテルの合成およびそれよりの分散アソ染料について
黒木 宣彦井上 聰北尾 弟次郎小西 謙三
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1956 年 14 巻 11 号 p. 676-681

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抄録

ナフトキノンをメタノール溶媒中で, 塩化第一スズと混合し, これにメタノール性塩酸を滴下し, 還元とメチルエーテル化を同時に行い, 一工程で比較的好収率で1, 4-ジオキシナフタリンモノメチルエーテルを合成した。このものはアルカリ性では空気中で直ちに二量化して (IV) を生じ青色に変化するので, 水素気流下でカセイソーダ溶液に溶解し, それぞれアニリン, p-ニトロアニリン, p-アミノベンゼンスルホシアミド, p-アミノアセトアニリドのジアゾ化物とカップリングせしめて赤色系の分散染料 (III) を合成した。これらのアセテート, ビニロン, アミランへの染色を試みた結果ベンゼン核上の置換基x (H, NO2, SO2NH2, NHCOCH3) が染着性, 鮮明度, 特に鮮明度に効果を及ぼすことを知つた。ニトロ体が最もくすみが多く, 未置換体が最も鮮明であり, アセチルアミノ体がこれについで良好であつた。

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