1956 年 14 巻 12 号 p. 723-724
アセナフテンを24%重クロム酸ナトリウム水溶液2.52モル比と200~10℃ に15hr反応させ87.7%の高収率で純粋な無水ナフタル酸 (mp275~6℃ (補正)) を得た。酸化剤の最適量は理論の1.5倍付近であり, 酸性酸化に比べ少なくてすむ。重クロム酸ナトリウムの初濃度は15~24%が適当で, 30%以上では無水ナフタル酸の収率はいちじるしく低下する。アセナフテンキノンは酸性酸化の場合と異なり反応の進行を妨害しない。副生酸化クロムは容易にかつ有効に回収できる。以上を総合し本法は相当有利なアセナフテン酸化法と認めた。