有機合成化学協会誌
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フェナントラキノン誘導体とο-フェニレンジアミンとの縮合
フェナントラフェナジン類の合成
加藤 信八郎橋本 春吉飛田 満彦前沢 衛
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1957 年 15 巻 8 号 p. 399-402

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抄録

フェナントラキノンのニトロー, ブロムーおよびアミノ誘導体とο-フェニレンジアミンとを縮合して, 各種のフェナントラフェナジン類を合成し, その性質を調べた。ニトロ体およびブロム体は氷酢溶媒で定量的にほとんど純粋なフェナジン類を与えるが, アミノ体は氷酢溶媒ではアセチル化を伴うため純粋なフェナジンをうることはできない。モノァミノ体はアルコール中でο-フェニレンジアミン塩酸塩と縮合するが, ジアミノ体は円滑にはいかない。
フェナントラフェナジン類はいずれも黄色の物質で有機溶剤に溶けにくい。現在直接の用途は見出されていないが, 各種フェナントラキノン誘導体の識別や定量に役立つものである。

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