有機合成化学協会誌
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クロルピクリンの新合成法に関する研究 (第2報)
クロルピクリンの新合成法に関する研究 (第1報)
戸部 敬哉竹原 正彦
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1969 年 27 巻 1 号 p. 41-46

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抄録

トリクロルエチレンの混酸によるニトロ化, および, その生成物の塩素化の二工程からなるクロルピクリン製造法が工業的に最も適当と考えられたので その最適反応条件を探索した。その結果, ニトロ化反応温度は-10℃~30℃の範囲で低温の方が有利であること, 使用硝酸量ならびに硫酸量はともに, 原料トリクロルエチレンの約1.5mol倍以上が使用され得ること, また, クロルニトロアセチルクロライドを含むニトロ化油状物の塩素化剤には, 次亜塩素酸塩が用いられ, この塩素化温度を常温付近で, また次亜塩素酸塩中の有効塩素量をクロルニトロアセチルクロライドの2mol倍以上にすることにより, ほとんど定量的にクロルピクリンが生成することを認めた。そして, これら諸反応を最適条件で行なう、.ことにより, 原料トリクロルエチレンの71.2mol%反.応トリクロルエチレンの82.6mol%のクロルピクリンが得られた。
トリクロルエチレンの混酸ニトロ化によるクロルニトロアセチルクロライド生成機構は, NO2+とHSO4-がマルコニコフ則によって, イオン付加し, ついで脱クロルスルホン酸反応を生起するものと考察された。
クロルニトロアセチルクロライドよりクロルピクリンの生成機構は, クロルニトロアセチルクロライドが, ア.ルカリの存在下で, ニトロカルボン酸塩となり, さらに、脱炭酸反応が生起し, ついで塩素化されるコースにより進行するものと考察された。

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