有機合成化学協会誌
Online ISSN : 1883-6526
Print ISSN : 0037-9980
ISSN-L : 0037-9980
トリエチルアルミニウムとアルデヒド類との反応
馬場 義雄
著者情報
ジャーナル フリー

1969 年 27 巻 3 号 p. 264-268

詳細
抄録

トリエチルアルミニウムとアルデヒドとの反応においては, アルデヒドとトリエチルアルミニウムとのモル比によっていちじるしく反応様式が異なることを見いだした。すなわち, モル比が1の場合にはグリニャール反応とほぼ同様な反応によって第2アルコールが得られるが, モル比が増加するにしたがって, アルデヒドの二量化によるエステル生成が主反応となり, かつ, この反応がトリエチルアルミニウムのal-H結合が触媒となって進行するものであることを証明した。また, 従来アルコラートの接触反応と考えられていたTischenko反応も上記反応と同様, 実際には金属-水素結合が触媒となっていることを明らかにした。

著者関連情報
© 社団法人 有機合成化学協会
前の記事 次の記事
feedback
Top