有機合成化学協会誌
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EtnAlCl3-nのヘキサメチルホスホリックトリアミド錯体の合成・単離およびそれらの錯体と三塩化チタンからなる触媒のプロピレン重合能
増田 隆志高味 康雄
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1976 年 34 巻 10 号 p. 726-729

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抄録

ヘキサメチルホスホリックトリアミド (HPT) とアルミニウム化合物EtnAlCl3-n (n=0~3) との反応からEtnAlCl3-n・HPTのような1:1の錯体とAlCl3・(HPT)2のような1:2の錯体を単離した。Et2AlClとHPTのモル比1:2の反応では1:1の錯体Et2AlCl・HPTが生成するのみでEt2AlCl・(HPT)2の生成は認められなかった。AlCl3・HPTとEtAlCl3との反応では不安定なため単離することはできなかったがEtAlCl2・AlCl3・HPTのような錯体の生成が推定された.
さらに単離した錯体について, プロピレンの立体規則性重合用触媒の構成成分として使用した場合の効果を検討した結果, EtnAlCl3-n ・HPT-TiCl3 (n=1~3) 系が重合に有効であることを見いだした。またAlCl3・HPT-TiCl3系およびEtAlCl2-TiCl3, 系はいずれも立体規則性重合能を有しないが, 両者を混合した形のAlCl3・HPT-EtAlCl2-TiCl3系は立体規則性重合に有効であることを明らかにした。

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