抄録
地震観測は地球や惑星の内部構造を高い分解能で探査できる手段である.本稿は地下深部の高温環境や惑星表面の低温・高放射線環境など,極限環境における観測をめざした地震計開発について述べる.レーザ干渉計測を用いることにより,高い精度を維持したまま極限環境において動作できることが特徴である.プロトタイプを用いた性能評価では,1mHz〜5Hzの帯域で地上のLow Noise Modelの振動レベルが検知できる雑音性能であることを確認した.仮に火星表面に設置できれば,火星大気によって励起される常時自由振動の予想レベルを検知可能で,その固有周波数から火星のコアに対する制約が得られるかもしれない.