2016 年 25 巻 4 号 p. 136-148
高速度天体衝突は惑星の表層平均場に非平衡場を作り出し, 惑星システムへのパルス的な環境変動を与える. そこからの緩和過程は惑星システムそのものに依存し, その多様性を強調する可能性がある. 筆者らの研究グループは平衡場を乱す主要因であると考えられる高エネルギー密度領域の物理・化学過程に注目し, その素過程の解明を目指して実験的研究を進めてきた. 本稿ではその成果を紹介するとともに, 近年の惑星形成理論の進展と合わせて初期太陽系天体の表層進化を推定するための展望について述べる.