日本惑星科学会誌遊星人
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特集「若い惑星および周惑星円盤・衛星形成研究最前線」
周惑星系円盤における衛星系形成
藤井 悠里
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2024 年 33 巻 3 号 p. 306-313

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抄録

衛星には,大小さまざまなものがあり,形成メカニズムも多様である.木星や土星の様なガス惑星の衛星のうち,少なくともガリレオ衛星やタイタンの様な巨大衛星は周惑星円盤で形成されたと考えられている.周惑星円盤は,ガス惑星の集積の際に,その周りに形成されるガス円盤である.周惑星円盤には,原始惑星系円盤からガスや固体(ダストやペブル,微惑星など)が流入する.周惑星円盤で形成された衛星は,円盤ガスとの相互作用で角運動量を失うと,惑星に落下してしまうため,円盤の構造は,衛星の数や軌道を決めるためにも重要である.本稿では,周惑星円盤の構造や進化に関する近年の研究について解説し,巨大衛星系の構築について議論する.

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