2024 年 33 巻 4 号 p. 436-445
若い星PDS70の周囲でガスを降着する惑星候補天体からHα 放射が検出されたことを契機に,降着に起因する放射の起源や観測結果の解釈に関する議論が活発化している.Hα放射源として降着衝撃波が有力視されているものの,衝撃波は惑星表面から周惑星円盤にわたる広い範囲で形成しうるため,観測結果の解釈は容易ではない.理論的な困難の一つは,原始ガス惑星周りの大局的な降着構造と,放射スペクトルの性質を決める衝撃波の微細構造の両方を解く必要性である.本稿では,このスケールギャップを克服するために我々が取った数値的なアプローチや,シミュレーションの結果明らかとなった動的な降着過程について紹介する.