美術教育学:美術科教育学会誌
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最新号
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  • 2026 年47 巻 p. Cover1-
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/07/08
    ジャーナル フリー
  • 2026 年47 巻 p. App1-
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/07/08
    ジャーナル フリー
  • 2026 年47 巻 p. i-
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/07/08
    ジャーナル フリー
  • -立体作品研修におけるアート思考とクリティカルシンキングの涵養-
    青木 善治
    2026 年47 巻 p. 001-015
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/07/08
    ジャーナル フリー
    本研究は,立体作品の審査・鑑賞を組み込んだ研修会を事例に,教師がいかにアート思考とクリティカルシンキングを涵養し,省察と変容に至るかを明らかにすることを目的とする。研修には幼・保・小・中学校の教師が参加し,一次審査や対話型鑑賞を通して子どもの作品を多様な視点から語り合った。相互行為分析の結果,教師は作品の制作過程や子どもの意図を想像しながら自らの見方を相対化し,他者の視点を受容する過程を示した。この経験は,教師が日常の授業を省察し,学習活動を創造的に再構成する契機となり,美術教育が教師自身の思考変容を促す研修資源として有効であることを示唆する。
  • -創造美育運動に関する研究( 5 )-
    新井 哲夫
    2026 年47 巻 p. 017-030
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/07/08
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は,2014年に行った「創造美育運動」に関する概念規定を見直し,より精度の高いものに更新することである。更新が必要になった理由は,その後の研究によって,過去の概念規定の不十分さが顕著になったことと,この間の研究成果が本学会誌に複数年にわたって掲載されているため,読者が研究の全体像を把握することに困難が生じていることである。見直しに当たっては,事項を「語義」「歴史」「主張と実践」「戦後美術教育への影響」に分節化し,それぞれの項目についてより精緻な記述を目指した。研究の結果,現時点で可能な範囲で精度を高めた概念規定ができたが,あくまでも暫定的なものであり,引き続き調査研究を進める必要がある。とりわけ今日,創造美育運動の歴史から何を学ぶべきかについては,早急に検討を行う必要がある。
  • -鑑賞者と作者と作品との乖離を弁証法的に超える鑑賞教育へ向かって-
    有田 洋子
    2026 年47 巻 p. 031-046
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/07/08
    ジャーナル フリー
    本稿は『スイミー』の1 . 日本的受容実態, 2 . 作者の主題意識・意図, 3 . 作品の美術的本質という三者間のずれ(乖離)を明らかにし, 4 . そのずれを乗り越える鑑賞教育を検討した。1 . 教材も鑑賞者も日本的集団協力物語と受容する。スイミーが劣等感をもち仲間外れを回避・克服するため仲間と協力したという鑑賞者の受容もある。鑑賞者の感情移入対象も,集団内で安穏にいたい心情から小魚群に集中する。2 . 作者の主題意識・意図は,有能な芸術家の社会的使命である。3 . 作品の美術的本質として重要なのは,スイミーが独り海底で様々な生き物と出会い元気を取り戻す過程であり,鑑賞者の無意識への〈不可視の刺激〉となっている。4 . 児童生徒の実態に応じ,受容内容,作者の主題意識・意図,作品の美術的本質とのずれを止揚する弁証法的鑑賞教育への可能性を示した。
  • -「リフレクシビティ」と「痛み」の概念に注目して-
    在原 汰智
    2026 年47 巻 p. 047-059
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/07/08
    ジャーナル フリー
    他者との接触を避けることができない現代社会において,いかにして積極的に他者と関わり,共生を実現させるのか。こうした問いに応答する美術教育学の先行研究のなかでも,本研究では美術の感性的な側面を強調する立場をとる。ただし,すでに指摘されてきた共愉や悦びとは異なる感性的な体験の可能性について明らかにすることを目的とした。これを明らかにするため,まず社会学の理論から「再帰性=リフレクシビティ」の概念を前提とした。その後,美術教育における感性の教育論の歴史的展開やデューイによる経験に関する理論,現代アートと美術教育の実践などを参照しつつ,他者の「痛み」を含むような感性的な体験が,私たちの認識や行動を変容させうるという結論に至った。
  • -「そぞろみ部」の活動を踏まえた授業実践の検討-
    市川 寛也, 赤石 賢也
    2026 年47 巻 p. 061-078
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/07/08
    ジャーナル フリー
    本研究は,鑑賞教育の拡張の可能性について考察することを目的とする。現行の中学校学習指導要領における鑑賞領域の内容イ(ア)を中心に,「生活や社会の中の美術や美術文化と豊かに関わる」ための授業を構想した。過去の学習指導要領の分析を通して鑑賞領域と生活との関係性を整理した上で,身の回りにある自然物や人工物などを対象にした鑑賞について,理論と実践の両面から調査を行った。実践にあたっては,まちを歩きながら任意のテーマに沿って周囲を観察し,造形的な見方を導き出す「そぞろみ部」の活動を踏まえ,中学校美術科の授業として提案した。作品としてつくられたものの提示にとどまらず,鑑賞者たる生徒自身が主体的に鑑賞の対象を見いだしていく過程に,フィールドワークの視点を導入する意義を見いだした。
  • -STEAM教育の「A」への視座-
    井上 朋子
    2026 年47 巻 p. 079-092
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/07/08
    ジャーナル フリー
    本稿は,人間回復が目指された20世紀初頭のバウハウスにおける造形教育を手がかりとして,現代のSTEAM教育における「A」の役割を再検討するものである。まず,バウハウスにおける感性教育の位置づけに着目し,とりわけ予備課程におけるヨハネス・イッテンとゲルトルート・グルノウの教育理念と実践を整理することで,合理性や効率性が優先される社会においても感性教育が重視された意義を明らかにした。そのうえで,現代のSTEAM教育における「A」の在り方に関して問題を提起し,人間の感性の育成を基盤に据える視点から「A」の役割を再考する必要性を課題として指摘した。最終的には,STEAM教育における「A」の機能を再定義するための新たな構想案を提示することができた。
  • 大島 賢一
    2026 年47 巻 p. 093-101
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/07/08
    ジャーナル フリー
    近年,日本でもSTEAM教育に関わり,小中高大学校のさまざまなレベルにおける取り組みが見られるようになってきた。そのような中で,美術教育に関わるSTEAM教育についての議論も活発なものとなっている。しかしなおそこには,美術教育そのものの解釈を含め,混乱が生じている。本稿は,STEAMにおけるAの解釈の多様性,従来の美術科教育が創造性育成に果たす役割,そしてSTEM教育の在り方を問い直す契機としての可能性を整理する。従来型の図画工作中心の美術教育では,創造性育成や学際的思考の涵養は十分に担保されず,教授法や学習環境の工夫が不可欠である。また,Aは単なる創造力の増幅だけでなく,科学技術の暴走を抑制し倫理的判断を育む役割も期待される。本稿は,これらの観点から,日本の美術教育がSTEAM教育に果たすべき役割を再考する。
  • - 3 題材に基づく分析を手掛かりにして-
    鎌田 純平
    2026 年47 巻 p. 103-117
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/07/08
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は,中学校美術科教育における「構想」の指導法として,学習指導要領が掲げる「単純化・省略・強調」の方法が与える効果を明らかにすることである。3 種類の題材を用いた授業実践を通して,生徒の構想過程における思考や行動を詳細に分析した結果,これらの技法が,生徒の思考プロセスの深化,表現・伝達効果の向上,制作過程における変容,そして美術学習への意識変容を促進することが示された。生徒は,試行錯誤を重ねてこれらの方法を作品に適用させることで,構想が拡張・深化し,作品の質的向上に寄与することが分かった。このことから,「単純化・省略・強調」は,単なる造形技法ではなく,生徒が作品の「主題」や対象物の本質を深く考察し,自らの表現を追求するための重要な手段として機能すると結論付けられる。
  • -「製作」概念の変遷に着目して-
    神谷 睦代
    2026 年47 巻 p. 119-136
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/07/08
    ジャーナル フリー
    本稿の目的は,倉橋が保育項目「手技」に替えて用いた「製作」概念の推移に着目し,倉橋の保育理論と芸術教育論の関連性を,関連文献によって明らかにすることである。結果,倉橋の「製作」論には〈芸術的製作論〉→〈純生活的製作論〉→〈文化教育的(生活的・芸術的)製作論〉という変遷過程が確認された。また,倉橋の芸術教育論は「創作」と「鑑賞」の二つ の方面からなり,各々の美的経験が本質とされる。これらから,倉橋の保育理論における生活と教育と芸術は創作の方面では「製作」の活動を通して,連続的・融合的な関係性にあることが示された。一方,鑑賞の方面では,幼児の日常生活とは分離された純粋芸術(技巧に優れた作品)による人間性の向上をねらいとした。最終的に倉橋は,文化教育への貢献として,その契機となる芸術の重要性を提示し,幼稚園教育における芸術教育の役割を位置づけた。
  • -教師の美術体験を基にした題材開発、教材作成を通して-
    小口 あや
    2026 年47 巻 p. 137-153
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/07/08
    ジャーナル フリー
    本稿では,教師の美術体験を基にした題材開発と教材開発を通し,美術の方法論を身体化する方法と美術の方法論の体系を広げる方法を探った。美術の方法論の体系は状況に応じその形式を変えられることを確認した。造形活動は「モノ(オブジェクト)」に関する美術の方法論と「人」に関する美術の方法論を関連付けて行われる。この二種の美術の方法論を関連付けた教育内容・教育活動を設定し指導を行うことで,美術の方法論の身体化を目指すことができると考えられた。身体内の感覚や身体の動きのコツを示すのには,オノマトペ等の言語表現や,字体の美術的表現等の表現で伝える方法がある。さらに,美術の方法論の体系は,異なる傾向の他者が出現させる美術の方法論を元々の美術の方法論の体系に関連させることで広げられることも明らかにした。
  • -授業中の省察と授業後のビデオリフレクションとの比較を通して-
    妹尾 佑介
    2026 年47 巻 p. 155-168
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/07/08
    ジャーナル フリー
    本論は,美術の授業中と授業後の高校生による省察を比較分析し,省察の質的変化と省察を促す学習環境について考察する。「学びの扇」を活用したアンケートを使用し,他者からの情報を基にした活動の割合と自分の判断による活動の割合を自己評価させた。さらに,生徒の授業中の活動を撮影しビデオリフレクションを行った。省察を相互行為分析や記述分析した結果,次の3 点が明らかになった。①ビデオリフレクションを通して省察する視座や評価の観点が友達と共有され,独自の意味づけがなされること,②省察を繰り返すことで,生徒が理想の学びの状況をイメージすることが促されること,③一人称的な省察と自分を客観視する省察とのギャップにより,学びに対する自覚や発見が生じることである。また,省察の多様な視点 を促す教員の重要性も示唆された。
  • -児童の反応パターンに基づく考察-
    野網 学
    2026 年47 巻 p. 169-181
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/07/08
    ジャーナル フリー
    筆者の先行研究(野網,2025)において理論的に想定されている鑑賞学習の発達段階,特に基礎的な3 段階「感受」「観察」「分析」が,実際の日本の小学校全学年の児童には,どのような反応パターンとして現れ,学年進行に伴ってどのように変化するかを実証した。大阪市立小学校203名を対象に,葛飾北斎作《冨嶽三十六景「神奈川沖浪裏」》を題材とした鑑賞学 習を実施し,MAXQDA24で記述回答を分析した。その結果,感情的印象から客観的観察,さらに因果関係の理解へと進む累積的構造が示された。年齢的発達だけでなく,教育的働きかけの質と継続性も鑑賞能力の発達に影響することが明らかになった。また,造形要素の統合的理解も鑑賞の深まりと連動して発達することが確認された。これらから,各学年の発達特性を踏まえた具体的な指導目標を示唆した。
  • -児童の日記における記述と授業体験の関連に着目して-
    服部 真也, 淺野 卓司, 大塚 有佳
    2026 年47 巻 p. 183-194
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/07/08
    ジャーナル フリー
    本稿の目的は,児童の発想や構想を含む創造的な表現に至るまでの思考の過程を可視化することである。A児の日記と題材に取り組む様子から思考や感情の変化を,TEM図を用いて分析した。その結果,家族や教師の支援を受けながら,拡散的思考と収束的思考を繰り返すことで創造性が発揮されていた。図の分岐点には,自己目標の達成に関する箇所が多く見られた。日記による振り返りは,児童が思考を整理し次の活動への見通しをもつことや教師が適切な支援のタイミングを把握する手がかりとなる。また,日記への教師のコメントが児童の気付きや意欲を促し,往還的な関わりが継続することで創造性が高まっていくことが考えられた。
  • -児童の回顧インタビューに基づく分析-
    平野 智紀, 鈴木 有紀
    2026 年47 巻 p. 195-207
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/07/08
    ジャーナル フリー
    本研究は,対話型鑑賞の長期的影響と転移を質的に明らかにすることを目的とした。6 年間で20回の鑑賞授業「みるゲーム」を経験した小学校6 年生22名のインタビューデータを質的にコーディングし,資質・能力(言語能力/観察力/思考力・メタ認知/作品理解・他者理解)と転移(人間関係・生活/教科・探究/言語・国語/美術・メディア)のカテゴリを見出し,その関係性を整理した。児童は汎用的な資質・能力の伸長を自ら認識し,修学旅行や学級活動,他の教科での話し合い活動,そして図画工作の表現活動への転移について報告した。この結果は先行研究と整合的であり,美術教育として行われることの独自性は,スロー・ルッキングと「みる・考える・話す・聴く」の明示的プロセスに見いだされた。
  • -個の身体的・社会的変容を支える教育理論の探究-
    古川 拓明
    2026 年47 巻 p. 209-227
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/07/08
    ジャーナル フリー
     生活実践の自動化や外部化が進む現代社会において,個人が身体を通して自己と環境の関係を構築する経験は次第に弱まりつつある。本研究は,このような状況に対し,工芸教育を学習者が自己の日常や世界を再構成していくプロセスに寄与する学びとし,その教育的可能性を検討する。本研究では,工芸に含まれる素材・身体などとの関係を再構成していくプロセスを「日常美学」およびティム・インゴルドの「メイキング論」の理論的枠組みから整理した。さらに工芸教育の特徴として,美的価値と実用的価値の葛藤が学習の契機となりうる点に着目し,実践研究レビューをもとに,「持続可能性」「共創」「多様性の尊重」「技術と人間性の調和」という4 つのコアを導出する。さらに,中学校美術科工芸を対象に,学習過程を支援・評価するための理論的視座を提示する。
  • -子どもの絵ホームステイプロジェクトのインタビュー調査を通して-
    松浦 藍
    2026 年47 巻 p. 229-243
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/07/08
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は,児童生徒の作品,中でも,子どもの絵について大人がどのように感じ,価値を見出すのかを明らかにすることである。そのために,佐伯胖の「文化的実践」を基底概念とした「子どもの絵ホームステイ」プロジェクトを実施した。調査は①創造的態度尺度を用いたアンケート調査と②HS前後のインタビュー調査を実施した。その結果,HS前は子どもの絵の造形的特徴に着目していたが,HS後作品を介して自身の精神状態や視点の変容を省察するようになる事例が確認できた。尚且つ,創造性態度尺度の傾向とインタビューでの発話に相関性を確認できた。このことから,尺度による創造的態度の見取りが大人に対してもできること,子どもの絵が大人の価値の変容を促す可能性や,新しい視点で行為を見つめることができる可能性が示唆された。
  • -生徒への質問紙調査による非実践校との比較-
    松本 浩司, 石川 満佐育, 小池 研二, 奥村 高明
    2026 年47 巻 p. 245-256
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/07/08
    ジャーナル フリー
    本稿は,日本の高校美術教育における芸術統合型学習の効果を,生徒への質問紙調査による非実践校との比較から明らかにした。美術科の学習指導要領で謳われた,造形的要素の活用や自他比較による思考は,実践校と非実践校で差がなかった。それ以外の,文化的要素の活用,美術とその学習への関心や態度,内省的思考,美術の社会的価値づけでは,実践校が非実践校を上回った。よって,美術を通した,あるいはそれについての文化的要素の学習を含む芸術統合型学習は,その要素の活用を促し,かつ,美術とその学習への関心や態度を培う。他方で,非実践校一般にみられる,主に学習指導要領に起因する,他教科への広がりをもたない美術の授業は,時空的に認知が拡大する高校生の知的好奇心あるいは認知的成長への欲求に応えられていない可能性がある。
  • 茂木 祥宏
    2026 年47 巻 p. 257-274
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/07/08
    ジャーナル フリー
    本稿は,高校生がデザインの学習に取り組む際,地域と連携した探究型学習を行うことで,デザインへの理解がどの程度深まったかを明らかにすることを目的とした実践研究の継続研究である。本稿では,「共感を伴う新たな価値の創造の重要性に気付くことができる題材設定」及び「創造的な表現のための探究の時間の充実」を前実践からの改善点とし,ロゴマークを制作する題材の開発と授業実践を行った。継続研究の成果として,デザインへの理解を深める探究型学習の手法には①知識・技能の要素の探究と思考力・判断力・表現力等の要素の探究を両輪とすること,②HCDプロセスの活動サイクルの複数回の体験,③「調査・対話の機会」「批評の機会」の充実が重要であることを考察し,これらを基に「デザインへの理解促進モデル」の提案を行った。
  • 森田 亮
    2026 年47 巻 p. 275-291
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/07/08
    ジャーナル フリー
    美術科での「スタンダードに基づくカリキュラム設計」の基盤となる「重大な観念」と「本質的な問い」を検討した。最初に,題材を基本単位とする美術科カリキュラム編成の考え方をふまえて,美術科でありうる「スタンダードに基づくカリキュラム設計」の構造を検討した。次に,小学校から高等学校までの美術科教科書に掲載された527題材を,質的研究における概念モデル構築の方法論を援用して分析した。その結果,58の題材群から,17の単元レベルの,6の領域レベルの「重大な観念」(【表現と素材】【イマジネーション】【対象の意味】【生活とデザイン】【表現の方法】【文化としての美術】)の配列を得た。最後に,これら「重大な観念」の探究を促す「本質的な問い」を検討し,素案とした。
  • 楊 榛
    2026 年47 巻 p. 293-302
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/07/08
    ジャーナル フリー
    美術経験が少ない人にとって抽象画は理解が難しい。瞑想後のアクションペインティング(AP)は創作意図を明確化し,作品鑑賞時の感情反応を高めることが示されているが,他の表現手法での効果は未検討である。本研究ではこの点を検討するため,美術館の現代アート展と連携して実験を実施した。有効回答55件を2要因に分散分析した結果,瞑想後のAPおよびドローイング体験はいずれも「現代アートへの印象」「自己の創作評価」「自己評価」にポジティブな影響を与えた。しかし,APの影響がドローイングよりも強いという仮説は支持されなかった。以上の結果から,瞑想を伴う描画体験は創作意図を喚起し,美術鑑賞への興味を高める効果が確認された。
  • -ニュルンベルク・シュタイナー学校の事例から-
    吉田 奈穂子
    2026 年47 巻 p. 303-316
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/07/08
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は,シュタイナー学校の高等部における「芸術研究」の授業を事例として,芸術鑑賞の教育的意義を明らかにすることである。創始者ルドルフ・シュタイナー(Rudolf Steiner,1861-1925)の美術史に関する講義記録およびカリキュラムに関する文献を調査した。次にドイツのシュタイナー学校の生徒のエポックノートを分析し,授業内容を検討した。ノートからは作品の模写や解説,様式ごとの特徴,博物館見学の記録を確認することができた。これらの分析から,この授業は単なる美術史の知識伝達ではなく,芸術を人類の意識や精神の発展史として体験的に学ぶことを重視していることが明らかになった。本研究はその意味で,日本の中等教育における美術史の学習を,人間の内面や精神の発展と結びつけて再考するための教育的示唆を提示した。
  • -山形大学附属中学校での実践を踏まえて-
    廖 曦彤
    2026 年47 巻 p. 317-334
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/07/08
    ジャーナル フリー
    実践に基づく研究/探究(求)方法であるA/r/tographyがもつ協同的な探求学習の可能性を明らかにするため,山形大学附属中学校美術部の生徒を対象にA/r/tographyの考え方を用いた実践を行った。生徒と教師の発話に対して質的分析を行い,表現物を踏まえて総合的に考察した結果,与えられた探求テーマや方法ではなく,自らの経験を注意深く振り返り,自身がもつ関心,場所・他者と自身との関係性を探求し,表現を生成し他者と共有する芸術的で発見的な活動となった。教師も探求共同体の一員として参加することで,生徒とよりフラットな関係性を構築でき,一人ひとりが自身の探求と表現に真摯に向き合う時間となった。しかし,活動の自主性が高いため,生徒の学年によって活動に慣れるまでに必要な時間が異なり,適切な手立ての検討が必要であることがわかった。
  • -誰にも高度で面白い研究は開かれている-
    金子 一夫
    2026 年47 巻 p. 335-342
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/07/08
    ジャーナル フリー
    本学会の倫理綱領にある「研鑽の義務」が研究の内的倫理と不整合であることを懸念し,研究の内的倫理とは自分の研究が権威・政策や通念・通説に囚われていないか不断に問うことであるとした。研究が頼りがちな政策と通念の脆さを指摘した。研究論文も自己表現であり,高度で面白い研究は誰にでも開かれている。その実現のための要件は,通念に囚われない問題発見,資料収集,単純な論理構成であるとした。通念等への違和感が研究意欲になり,他分野の書物の参照が問題解決の命題になること,主要概念を最初から定義せずに暫定的定義で出発し,最終的にそれらが定義されることの重要性を指摘した。文体における内容的正確さとリズムの両立,資料収集・検索における愚直さの必要についても言及した。
  • 2026 年47 巻 p. 344-345
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/07/08
    ジャーナル フリー
  • 2026 年47 巻 p. 346-348
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/07/08
    ジャーナル フリー
  • 2026 年47 巻 p. 349-350
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/07/08
    ジャーナル フリー
  • 2026 年47 巻 p. 351-353
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/07/08
    ジャーナル フリー
  • 2026 年47 巻 p. 354
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/07/08
    ジャーナル フリー
  • 2026 年47 巻 p. 355-356
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/07/08
    ジャーナル フリー
  • 2026 年47 巻 p. 357
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/07/08
    ジャーナル フリー
  • 2026 年47 巻 p. 358
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/07/08
    ジャーナル フリー
  • 2026 年47 巻 p. App2-
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/07/08
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