動物遺伝育種研究
Online ISSN : 1884-3883
Print ISSN : 1345-9961
ISSN-L : 1345-9961
最新号
選択された号の論文の3件中1~3を表示しています
巻頭言
  • 小林 栄治
    2019 年 48 巻 1 号 p. 1-2
    発行日: 2019年
    公開日: 2020/01/28
    ジャーナル オープンアクセス
    日本動物遺伝育種学会・会長の任を拝命して3年が過ぎ、残すところあと1年となりました。1年間の区切りである学会大会(宇都宮大学)も大会実行委員長である福井先生を始めとする学会事務局の先生方のご尽力により新たな企画と共に成功裏に終了し、着実に歩みを進めているところです。次の学会大会は本年9月に帯広畜産大学にて口田先生を大会実行委員長として開催を予定しており、多くの会員皆さまの参加・発表をお待ちしております。また、先端遺伝育種セミナーは2年に一度を目安に開催を検討していますが、昨年は国際動物遺伝育種学会が開かれたことから延期としました。幸い、帯広畜産大学にて学会大会に連続して開催できる運びとなり、久しぶりの開催となります。テーマとしては、「Rを用いたデータ解析(仮)」を予定していますので、学生をはじめ会員の皆様、奮ってご参加ください。 この間、学会自体には大きな変化はありませんが、取り巻く状況は大きく変化しつつあり、幾つか我々の研究に影響する可能性のある事柄があります。まず、TPPに続き、EPAさらに米国との二国間協定と貿易に係る状況は大きく変わっています。国内産業への影響は大きなものとなることが予想されます。また、農林水産省が提唱している、ロボット技術やICT を活用して超省力・高品質生産を実現する新たな農業(スマート農業)の実現を目指した取り組みが動き始めています。こうした国内外の環境が大きく変わる中、我々学会としても変化していく必要があると思います。遺伝育種分野では、SNPチップや次世代シーケンサ等新たな機器やツール・情報源が出現し、それらの有効な利活用及びAI等を活用したビッグデータの処理など、期待は益々大きくなっています。貢献のわりに評価が低い我々の分野ですが、そうした期待には是非とも応えていきたいと考えています。  また、5年に一度策定される家畜改良増殖目標(鶏の改良増殖目標を含む)が議論・検討されています。現在の目標は平成27 年(西暦2015 年)に策定されたものですが、今年公表の予定です。昨年来、農水省にて動物種ごとに学識経験者や業界団体の代表者等からなる研究会が数回開かれ、具体的な改良目標の議論が為されていると聞いています。前回と違い今回は研究会の概要は公表されていないようですが、我々動物遺伝育種学会としては、産業界への出口である家畜の改良目標の方向性は、重要な指針になるものと思いますので、公表されるのを楽しみに待ちましょう。  さらに、一昨年発生したCSF(豚コレラ)です。恐らく野生のイノシシを介して近県まで拡大し、13 年ぶりのワクチン接種が実施されることとなりました。農水省から「CSF(豚コレラ)について」として消費者および生産者に向けた情報も発信されています(http://www.maff.go.jp/j/syouan/douei/csf/)。我々の研究にも大きな影響があります。ブタの研究材料のやり取りができなくなっただけでなく、と場試料の入手手続きが煩雑になりました。鳥インフルエンザも野鳥が媒介し対策の難しさがありますが、農作物被害が著しいイノシシにさらにCSF対策が必要となっています。とはいえ、こうした伝染病に負けず着実に研究を 進めていきましょう。 最後になりますが、学会の活動について必要な改革や世の流れへの対応など速やかに実行していきたいと考えています。若い会員も遠慮せずご意見ご提案を学会事務局までお寄せください。一緒に学会及び研究分野を盛り上げていきましょう。本学会は一人一人の研究への情熱で成立している学会です。本学会 と動物遺伝育種研究の発展は日々の努力に支えられています。今後とも、ご理解とご協力を賜りますようよろしくお願い申し上げます。活発な研究活動により我々の分野が発展し、広く社会に貢献できることを願いながら、今年度の巻頭言を結びたいと思います。
原著論文
  • 小山 秀美, 加世田 景示, 上西 愼茂, 今村 清人, 坂元 信一, 大島 一郎, 片平 清美, 河邊 弘太郎, 岡本 新, 小林 栄治, ...
    2019 年 48 巻 1 号 p. 3-7
    発行日: 2019年
    公開日: 2020/01/28
    ジャーナル オープンアクセス
    黒毛和種で発生する白斑は、品種の特性に負の影響を与え、一部で経済的損失となる損徴の1 つである。本研究では、Fontanesi ら(2012)によって西欧品種で白斑の有無と関連があると報告されたMITF 遺伝子の変異(g.32386957A&gyT )が黒毛和種でも存在することを確認し、白斑の有無との関連性を検討した。材料には鹿児島県産黒毛和種79頭(正常40 頭および白斑39 頭)のゲノムDNA を供し、ダイレクトシークエンス法および対立遺伝子特異的PCR法(AS PCR)により当該変異の確認および遺伝子型判定を行った。その結果、黒毛和種でも当該変異の存在を確認できた。さらに、これらを白斑群と正常群に分け、遺伝子頻度についてカイ二乗検定を試みた結果、両群間の遺伝子型構成に高度な有意差があり(P = 1.53 × 10-6)、当該変異が黒毛和種の白斑の有無にも強く関連することを示した。しかし、一部で例外が確認されたことから、当該変異だけでは白斑発生の全てを説明できないことも示唆された。
総説
feedback
Top