動物遺伝育種研究
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最新号
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巻頭言
  • 2024 年 52 巻 1 号 p. 1-
    発行日: 2024/02/01
    公開日: 2024/03/05
    ジャーナル オープンアクセス
    2024 年元日は、思いも寄らぬ痛ましい自然災害と大きな事故で始まってしま いました。元日の夕方、能登地方を震源とする最大震度7 の大地震、能登半島 地震が発生し、多くの尊い命が奪われてしまいました。翌2 日には、地震の被 災地に支援物資を緊急輸送する海上保安庁機と日本航空機の衝突炎上事故によ り、海上保安庁職員が亡くなられました。能登半島地震と航空機事故で犠牲に なられた方々に謹んで哀悼の意を表しますとともに、被災地域の方々、また事 故に遭遇された乗客の方々に、心よりお見舞いを申し上げます。  さて、日本動物遺伝育種学会は、家畜から野生動物、魚類など水産生物から 海洋生物、実験動物を対象とし、分子遺伝学から統計遺伝学まで、遺伝学から 育種学まで、研究者から実務者、学生までを網羅し、相互の研究交流と協力な らびにその成果の普及を図ることを目的に2000 年に創設され、本年で24 年を 迎えました。本学会誌「動物遺伝育種研究(The Journal of Animal Genetics)」は、 通巻第52 巻を迎えました。会員の皆様には「動物遺伝育種研究」への論文投稿 のみならず会員皆様の研究領域についてミニレビュー投稿を含め、積極的な投 稿と幅広い活用を期待しております。  新型コロナウイルス感染症の5類移行に伴い対面による学会開催を実施する ことができるようになりました。2023 年は11 月18 日(土)に東海大学阿蘇く まもと臨空キャンパスにて東海大学総合農学研究所・今川和彦先生を大会長と し学会大会を実施しました。翌日19 日(日)には「小さなものから大きなもの へ~ポストコロナ時代のウイルス・微生物学~」をテーマに地域の特徴を生か した日本動物遺伝育種シンポジウムを開催することができました。対面での実 施効果を十分に実感でき、研究交流および情報交換することができました。と くに大学生、大学院生を中心とした若手の研究発表に多くの皆さんにエントリー をいただき、対面ならでは意見交換ができました。引き続いて会場を熊本市内 に移し対面での研究交流会を行い、さらに親身の交流が実感できました。2023 年度の学会大会を企画、実施、運営をいただきました今川大会長、松本大和実 行委員長および稲永敏明委員を初め東海大学の皆様に誌上からですが感謝を申 し上げます。あわせて学会長特別賞、優秀発表賞を受賞された皆様、おめでと うございました。2024 年度は、11 月23 日、24 日に東京大学・間陽子先生を大 会長として東京大学弥生キャンパス弥生講堂で開催いたします。多くの会員の 皆様にご参加いただき、研究交流と情報交換を行っていただきたいと期待して います。  さて、海外渡航も比較的自由になってきたことで、グローバルな視点か ら、2025 年7 月21-25 日には第40 回国際動物遺伝学会(ISAG 2025)が韓国・ DAEJEON で開催されます。また毎年1 月にアメリカ・San Diego で開催されて 2 いるPAG(Plant and Animal Genome)学会も対面形式で開催されており、2024 年1 月にはPAG31 が開催されます。あわせて、PAG in Asia(China、 Australia、 India)も開催されます。コロナ禍では海外で開催される国際学会の参加を控え、 さらに動物遺伝育種分野の研究者の年々減ってきている国際学会への参加と相 まって日本からの参加者が殆どいない状況でもありました。国際学会への会員 参加も含み、日本動物遺伝育種学会会員皆様の活発な研究活動への更なる取り 組み、特に若手研究者の育成へと積極的なご賛同を引き続き期待しております。  最後になりますが、引き続き、学会の活動や取り組みについて必要な改革や 研究の流れへの対応、若手研究者の育成など主体的かつ速やかに実行していき たいと考えています。若手会員の皆様も遠慮なくご意見ご提案を学会事務局ま でお寄せください。その中で、本学会誌は会員の皆様の研究成果公表の場として、 原著論文、総説、ミニレビュー、解説など積極的に掲載し、読み物としても興 味が持てるものとし、また、会員参加型の学会誌になるよう、さらに充実を図 りたいと考えています。そのためには会員の皆様からの積極的な投稿は欠かせ ません。本学会は学会創設当時から引き継がれ、動物遺伝育種研究の発展は会 員の皆様の日々の努力に支えられています。引き続きご理解とご協力を賜りま すよう、よろしくお願い申し上げます。  活発な研究活動により動物遺伝育種分野の研究およびコミュニティーが発展 し、広く社会に貢献できることを願いながら、通巻第52 巻の巻頭の言と結びと させていただきたいと思います。
原著論文
  • Su Lai Yee Mon, Moe Lwin, Emi OOZAWA, Tsuyoshi OZAWA, Katsuyuki OOZA ...
    2024 年 52 巻 1 号 p. 3-
    発行日: 2024/02/01
    公開日: 2024/03/05
    ジャーナル オープンアクセス
    The Noma horse breed is the smallest among the eight native Japanese horse breeds. The population of Noma horses has been decreasing consistently, and they are listed as a critical breed; thus, conservation measures are urgently required. In this study, we estimated the pedigree-based inbreeding (FPED) and genomic inbreeding coefficients (FIS and FROH) of 24 Noma horses bred in Imabari City, Ehime Prefecture. We used 65 K equine SNP chip (GeneSeek/Neogen) data, and identified a total of 31,133 autosomal SNP genotypes after quality control steps. They were used to estimate the genomic inbreeding coefficient. We found that two full siblings had identical FPED (0.303) and different FIS (-0.157 and 0.077). When the mean FIS value was compared between this study (-0.098) and the previous study (Kakoi et al. 2007) (-0.130), this study had higher inbreeding values. A total of 815 ROH segments larger than 1 Mb were identified in 24 horses, and 78.7% of them were longer than 4 Mb, confirming recent inbreeding in this population. FROH (FROH–All, FROH1–2Mb, FROH2–4Mb, FROH4–8Mb, FROH8–16Mb, FROH> 16Mb) was calculated for different ROH lengths (all segments, 1–2, 2–4, 4–8, 8–16, and > 16 Mb, respectively). These estimates increased with increasing ROH length suggesting higher inbreeding in recent generations.
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