動物遺伝育種研究
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巻頭言
  • 2025 年 53 巻 1 号 p. 1-
    発行日: 2025/01/31
    公開日: 2025/02/04
    ジャーナル オープンアクセス
    2024 年11 月22 日開催の日本動物遺伝育種学会理事会および23 日開催の総会 の議を経て第13 期の会長を拝命致しました京都大学の横井伯英です。第11 期 および12 期の2 期4 年間の会長を務められた広島大学の西堀正英先生の後をう け、重責を担うこととなり身の引き締まる思いです。副会長は鹿児島大学の下 桐 猛先生と農研機構の谷口雅章先生が、編集委員長は引き続き神戸大学の笹崎 晋史先生が務められます。事務局の総務は帯広畜産大学の後藤達彦先生と京都 大学の小川 伸一郎先生が、会計は農研機構の西尾元秀先生が務められます。理事・ 監事・指名理事にも異動があり、新たな体制にて会員の皆様が満足されるよう な魅力的な学会を運営していきたいと考えております。会員の皆様には、本学 会の活動に対して忌憚のないご意見ならびにご協力のほどよろしくお願い致し ます。  さて、日本動物遺伝育種学会は、ホームページに掲載されている設立趣意に もありますように①分子遺伝学分野、統計遺伝学分野、遺伝資源分野など動物 遺伝育種学のあらゆる分野が一体となって研究の進展ならびその応用に取り組 める場とすること、②電子メールやホームページなど情報ネットワークをフル に活用して、情報の集まる学会、そして常に新たな情報が発信できる学会にす ること、③会員の意見ができるだけ反映されるように運営し、一人一人が会員 であることを自覚できる学会にすることなどを目標として2000 年11 月に創設 され、本年で25 年の節目を迎えました。私の恩師である京都大学名誉教授の佐々 木義之先生が本学会の設立にご尽力され、初代会長を務められたことを考えま すと感慨深いものがあります。  コロナ禍を経て、一昨年より対面での学会開催を再開することとなり、2024 年11 月23 日(土)には東京大学弥生キャンパスの弥生講堂にて東京大学大学 院農学生命科学研究科の間 陽子先生を大会長として第25 回大会が開催されまし た。今回は、16 件の特別賞選考対象演題および34 件の一般演題全てについて口 頭発表およびポスター発表があり、活発な討論ならびに意見交換ができました。 厳正な審査の結果、2 名の学会長特別賞および6 名の優秀発表賞の受賞者を選出 して表彰致しました。受賞された皆様、おめでとうございました。引き続き翌 24 日(日)には、「私たちの地球の未来のためのテクノロジー ~遺伝育種へ の可能性~」をテーマに日本動物遺伝育種学会シンポジウムが開催されました。 ゲノム編集、人工知能、可視化技術それぞれの最先端を牽引しておられる先生 方から貴重なご講演を賜りました。2024 年度の学会大会を企画・運営して頂き ました間大会長、松本安喜副大会長、竹嶋伸之輔実行委員長および松浦遼介副 実行委員長を初めとする東京大学ならびに十文字学園女子大学の皆様に心より 感謝申し上げます。2025 年度は、十文字学園女子大学の竹嶋伸之輔先生を大会 長として埼玉県新座市の十文字学園女子大学にて開催される予定です。多くの 会員の皆様にご参加頂き、研究成果の発表ならびにface-to-face での交流と情報 交換をして頂きたいと思います。  本学会誌(動物遺伝育種研究)は会員の皆様の研究成果公表および情報発信 の場として、原著論文(短報含む)、総説、ミニレビュー、解説など(すべて英 文または和文)を掲載しております。これまでは印刷体として発行されてきま したが、今回からオンライン化されました。理事会にて長らく議論を重ねた上 で決定され、編集委員長の笹崎先生のご尽力により実現したものであります。 近年は掲載される論文数が低く推移しておりますので、是非会員の皆様から積 極的に投稿して頂きますようお願い致します。  また、今回から直近の学会大会の講演要旨(特別賞選考対象演題、一般演題 およびシンポジウム等)を皆様が確認できるように致しました。これまで学会 大会の講演要旨は、それぞれの大会事務局が準備して大会当日に冊子として配 布されておりました。そのため、大会に参加できなかった会員は講演要旨を確 認することができませんでした。今後は、学会大会に参加できなかった会員の 皆様も是非ご活用頂ければと思います。  現在、龍谷大学の小野木 章雄先生と農研機構の荒川愛作先生を中心として量 的遺伝学の教科書の執筆が進められております。初学者でも取り組めるように 平易なテキストとプログラミング演習を一体化させた画期的な教科書です。本 学会はこの教科書作成を強力にサポートするとともに、教科書を用いたセミナー を開催して会員のみならず非会員にも広く門戸を開き、量的遺伝学の普及に努 めることを予定しております。この教科書作成が契機となり、量的遺伝学を含 めた動物遺伝育種学の研究分野のすそ野が広がり、研究分野が活性化されるこ とを期待しております。  最後に、学会活動ならびに学会誌へのご協力を再度お願いして、通巻第53 巻 の巻頭言と致します。
原著論文
  • Nguyen Thuy Thanh, Tetsuo Kunieda, Shah Manoj Kumar , Le Thu Nu Anh, ...
    2025 年 53 巻 1 号 p. 3-
    発行日: 2025/01/31
    公開日: 2025/02/04
    ジャーナル オープンアクセス
    Water buffaloes are essential to the rural economies of many developing countries, including Vietnam and Nepal, but native buffalo populations in these countries face challenges such as low productivity due to fertility and body growth issues. This study analyzed 34 SNPs in 18 genes associated with reproductive and body growth traits reported in cattle and buffalo in Vietnamese and Nepalese native buffaloes. Results showed no polymorphism at bovine SNPs in either buffalo. Further analysis with SNPs previously reported only in popular buffalo breeds, such as Murrah, found that Vietnamese buffalo were monomorphic at all sites, which may reflect reduced genetic diversity due to population decline. In contrast, Nepalese buffalo, consisting of two native breeds, showed polymorphism in 11 SNPs in 7 genes, with 10 of these matching those found in the Murrah buffalo analyzed here. These findings suggest that these SNPs may be applicable for genetic improvement in Nepalese native buffalo. This study provides valuable insights for future conservation and breeding programs aimed at enhancing reproductive and body growth performance of native buffalo in Vietnam and Nepal.
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