本実験は,ヤマイモ添加飼料(DPYA)の給与が肥育豚の枝肉特性および肉質評価に与える影響について実験を行った.DPYAは乾燥したヤマイモ(Dioscorea)と川〓(Cnidium officinale),天台鳥薬(Lindera strychnifolia),補骨脂(Psoralea corylifolia),ナニウイバラ(Rosa laevigata),米糠あよび麦糠を混合して製造した.実験試料は肥育豚の飼料に対して0(C),1(T1)および3%(T2)のDPYAを添加したのものを用いた.枝肉特性では,屠体重(kg),屠体率(%)および背脂肪厚さ(mm)はCとT1よりT2が有意に低かった(P<0.05).上位枝肉格付(A+B,%)はDPYAの添加にしたがって高かった(P<0.05).水分,粗蛋白質と粗灰分はDPYAの添加にしたがって有意に高かった(P<0.05)。粗脂肪はDPYAの添加にしたがって有意に低かった(P<0.05)。肉質評価では,pH_<24>はDPYAの添加にしたがって有意に高かった(P<0.05). WHC(%)はT1とT2がCより有意に高かった(P<0.05)加熱減量(%)はT2がCとT1より有意に低かった(P<0.05). CIE LとCIE aはDPYAの添加にしたがって有意に高かった(P<0.05).官能試験では,肉色はCとT1よりT2が有意に高かった(P<0.05).霜降りはT1がCとT2より有意に高かった(P<0.05). Drip lossとHardnessはDPYAの添加にしたがって有意に高かった(P<0.05). FlavorはCとT1よりT2が有意に高かった(P<0.05).嗜好性はT2がCより有意に高かった(P<0.05).本実験の結果から,3%のヤマイモ添加飼料(DPYA)の給与が肥育豚の枝肉特性,肉質評価および官能試験に影響を与えることが明らかとなった.
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