日本家畜管理学会誌・応用動物行動学会誌
Online ISSN : 2424-1776
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ISSN-L : 1880-2133
42 巻, 4 号
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  • Sung Dae LEE, Hoi Yun KIM, Young Min SONG, Rekha CHOWDAPPA, Ji Hee HA, ...
    原稿種別: 本文
    2006 年 42 巻 4 号 p. 195-202
    発行日: 2006/12/25
    公開日: 2017/02/06
    ジャーナル フリー
    本実験は,ヤマイモ添加飼料(DPYA)の給与が肥育豚の枝肉特性および肉質評価に与える影響について実験を行った.DPYAは乾燥したヤマイモ(Dioscorea)と川〓(Cnidium officinale),天台鳥薬(Lindera strychnifolia),補骨脂(Psoralea corylifolia),ナニウイバラ(Rosa laevigata),米糠あよび麦糠を混合して製造した.実験試料は肥育豚の飼料に対して0(C),1(T1)および3%(T2)のDPYAを添加したのものを用いた.枝肉特性では,屠体重(kg),屠体率(%)および背脂肪厚さ(mm)はCとT1よりT2が有意に低かった(P<0.05).上位枝肉格付(A+B,%)はDPYAの添加にしたがって高かった(P<0.05).水分,粗蛋白質と粗灰分はDPYAの添加にしたがって有意に高かった(P<0.05)。粗脂肪はDPYAの添加にしたがって有意に低かった(P<0.05)。肉質評価では,pH_<24>はDPYAの添加にしたがって有意に高かった(P<0.05). WHC(%)はT1とT2がCより有意に高かった(P<0.05)加熱減量(%)はT2がCとT1より有意に低かった(P<0.05). CIE LとCIE aはDPYAの添加にしたがって有意に高かった(P<0.05).官能試験では,肉色はCとT1よりT2が有意に高かった(P<0.05).霜降りはT1がCとT2より有意に高かった(P<0.05). Drip lossとHardnessはDPYAの添加にしたがって有意に高かった(P<0.05). FlavorはCとT1よりT2が有意に高かった(P<0.05).嗜好性はT2がCより有意に高かった(P<0.05).本実験の結果から,3%のヤマイモ添加飼料(DPYA)の給与が肥育豚の枝肉特性,肉質評価および官能試験に影響を与えることが明らかとなった.
  • 伊藤 秀一, 矢用 健一, 松山 秀一, 森山 隆太郎, 須藤 まどか, 粕谷 悦子, 大蔵 聡, 岡村 裕昭
    原稿種別: 本文
    2006 年 42 巻 4 号 p. 203-208
    発行日: 2006/12/25
    公開日: 2017/02/06
    ジャーナル フリー
    ホルスタイン種牛における隔離ストレス反応の緩和を目的として、社会的隔離環境に暴露したホルスタイン種去勢牛に、既知個体または供試個体自身の映像を提示して、行動反応および生理反応に与える影響を調査した。供試牛4頭に頸静脈カテーテルを装着し、スタンチョン式の実験室での飼育に馴致した。実験では、他の3頭を実験室から出すことで、対象牛1頭を実験室に残して、社会的隔離環境とした。他の個体を退出させると同時に、ほぼ原寸大の既知個体の映像、または供試個体自身の映像を供試牛の正面約1.5mに設置したスクリーンに、液晶プロジェクターを用いて提示した。対照区の映像は、ブルーバックのみとした。隔離環境に暴露してから0,30,60,90,120,150,180分後に採血を行った。また、採食行動、反芻行動、立位休息、伏臥位休息、立位不動化に費やす時間と、発声回数を記録した。隔離環境に暴露しない状態と、隔離してブルーバックのみの提示とを比較したところ、後者では採食、伏臥位休息、反芻行動の減少傾向(P=0.068)がみられ、立位休息および発声回数が増加する傾向となった(P=0.068)。血中コルチゾル濃度およびACTH濃度に有意な上昇は認められなかった。隔離ストレス負荷時に、映像を提示しない場合は、反芻行動に費やす割合は16.9±6.1%であったが、既知の他個体の動画を映写することによって、反芻に費やす割合が36.0±3.3%と増加する傾向がみられた(P=0.068)。供試牛自身の映像による隔離ストレス緩和の効果は認められなかった。本研究から、隔離ストレスを負荷したホルスタイン種牛に対して、同種他個体の映像を提示することは、反芻行動に費やす時間を増加させることなど、ストレス反応の一部緩和につながる可能性が示唆された。
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