日本ダニ学会誌
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11 巻, 2 号
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原著
  • 岡部 貴美子, 牧野 俊一
    2002 年 11 巻 2 号 p. 73-84
    発行日: 2002年
    公開日: 2005/08/24
    ジャーナル フリー
    日本産キムネクマバチの成虫は雌雄共に、後体部第1節及び中胸部翅基部後方にアカリナリウムをもっていることが確認された。中胸部のアカリナリウムの開口部は、雌よりも雄の方が大きかった。後体部のアカリナリウムは、X. latipes などで記録されている著しく陥入した空洞ではなく、細長い溝であった。キムネクマバチからは、クマバチコナダニ、コガタノクマバチコナダニ、ヒメクマバチカザリコナダニの3種の第二若虫が採集された。このうちクマバチコナダニとコガタノクマバチコナダニの個体数が圧倒的に多かった。3種のダニは、労働寄生あるいは寄主の巣の中のゴミを摂食する腐食者と考えられた。クマバチコナダニはそのほとんどが中胸部の毛に定着していたが、クマバチコナダニより体が小さなコガタノクマバチコナダニはアカリナリウム内や翅の基部に多かった。これはおそらくクマバチコナダニは体サイズが大きくアカリナリウムに入れないが、寄主の毛をつかめるためと思われた。更に、ハチとダニの相互作用の観点から、Xylocopa 属のアカリナリウムの特徴について考察した。
  • Jianzhen LIN, 中尾 弘志, 斎藤 裕
    2002 年 11 巻 2 号 p. 85-89
    発行日: 2002年
    公開日: 2005/08/24
    ジャーナル フリー
    A new species of the genus Tarsonemus predacious on eggs of Schizotetranychus longus Saito is described in Japan under the name of Tarsonemus praedatorius.
  • 黒佐 和義
    2002 年 11 巻 2 号 p. 91-99
    発行日: 2002年
    公開日: 2005/08/24
    ジャーナル フリー
    大分県で採取した,ヤマトシロアリ九州亜種(Reticulitermes spelatus kyushuensis) の営巣した朽木から得たヒナダニを新種としてMahunkania japonica と命名,記載した.本種は同属の既知種とは第1脚の腿節に生じる2本の刺状の毛の長さに明瞭な差が認められること,脛付節のソレニヂオンω2が末端のω1からかなり離れた位置に生じること,第4脚腿節の毛d が長くて脛節の末端に達することなどで識別されるほか,第1脚脛付節の内縁末端近くに二岐状の顕著な突起を具える点で隔絶している.ヒナダニ科の既知種で全く報告例を見ないこの異常な突起はu' 毛とu'' 毛の極端に変形したもので,Pygmephorus 属などで見られる爪の対応指(counterpart) と相同のものと考えられる.これは重要な特徴であるが,同属の既知種で見落とされている可能性がある.
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