大分県で採取した,ヤマトシロアリ九州亜種(
Reticulitermes spelatus kyushuensis) の営巣した朽木から得たヒナダニを新種として
Mahunkania japonica と命名,記載した.本種は同属の既知種とは第1脚の腿節に生じる2本の刺状の毛の長さに明瞭な差が認められること,脛付節のソレニヂオンω
2が末端のω
1からかなり離れた位置に生じること,第4脚腿節の毛
d が長くて脛節の末端に達することなどで識別されるほか,第1脚脛付節の内縁末端近くに二岐状の顕著な突起を具える点で隔絶している.ヒナダニ科の既知種で全く報告例を見ないこの異常な突起は
u' 毛と
u'' 毛の極端に変形したもので,
Pygmephorus 属などで見られる爪の対応指(counterpart) と相同のものと考えられる.これは重要な特徴であるが,同属の既知種で見落とされている可能性がある.
抄録全体を表示