ヤマトマダニ幼・若虫の宿主への寄生と発育を25℃の常温で,日長条件(10L-14D,12L-12D,16L-8D)を変えて観察した。幼虫の宿主への寄生は,飼育した日長条件によってほとんど影響されなかった。しかし,飽血幼虫から短日条件(10L-14D)で飼育した若虫は,宿主への寄生を若干抑制された。飽血幼虫の発育は,ほとんど日長の影響を受けなかったが,飽血若虫は吸血前から飽血後まで短日条件(10L-14D,12L-12D)で飼育したものは,発育期間が長くなり,大部分休眠に入った。吸血前,長日条件(16L-8D)で飼育した若虫は吸血中から飽血後,短日条件に移しても休眠に入らなかった。飽血若虫の休眠は,次の発育ステージである成虫の活動を調節する重要な要因の一つであると思われる。
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