日本ダニ学会誌
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5 巻, 2 号
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  • 高藤 晃雄, 横塚 太郎, 五箇 公一, 岸本 英成
    1996 年 5 巻 2 号 p. 75-81
    発行日: 1996/11/25
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    ナンゴクハダニはEhara(1995)によって記載され,沖縄に広く分布する。本種は非休眠性で,他の多くのTetranychus属のハダニ類と同様,きわめて広食性である。本種の個体群パラメタを,典型的な機会的種であるナミハダニやカンザワハダニなどの他のTetranychus種と比較すると,発育がより速く,また成虫初期の産卵数がきわめて多く,内的自然増加率はこれまで報告されたハダニ類のなかでは最高の値を有する。本種の高い発育零点,低温域での低い生存率,現時点における分布域などを総合すると熱帯起源種と考えられ,今後,施設栽培環境への侵入には注意が必要である。
  • 望月 雅俊, 高藤 晃雄
    1996 年 5 巻 2 号 p. 83-88
    発行日: 1996/11/25
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    カンザワハダニの休眠覚醒に対する日長と温度の効果,および野外での休眠覚醒時期を調べた。20℃短日条件(9L15D)で休眠誘起されたカンザワハダニ(京都市産)の休眠覚醒は,長日条件下(16L8D)のほうが短日条件下(9L15D)よりもはるかにはやく進行した。短日条件では15℃よりも20℃のほうがよりはやく覚醒が進み,20℃長日条件ではきわめて速やかに覚醒された。覚醒のためには低温処理は全く必要なく,この個体群の休眠は浅いと考えられた。また,冬期に野外(静岡県榛原郡金谷町)から定期的に採集した休眠雌成虫に対する短日の休眠維持効果は徐々に消失した。12月末以降に野外で採集した雌成虫を15℃に移すと,日長条件にかかわらず10日以内に50%以上が産卵を再開し,ほとんどの雌成虫の休眠覚醒は12月末までには終了していると考えられた。
  • 後藤 哲雄, 高藤 晃雄, 五味 康
    1996 年 5 巻 2 号 p. 89-94
    発行日: 1996/11/25
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    沖縄県のハダニ相に関する知見は乏しい。筆者らは,ナンゴクハダニが琉球列島から新種記載された機会に,この種を含むハダニ類の分布調査を1995年8月に沖縄本島で行った。13種の植物から6種のハダニを採集した。すなわち,ナミハダニ(黄緑型),ナンゴクハダニ,ミヤラハダニ,ナミハダニモドキ,カンザワハダニ,そしてシュレイハダニである。このうち,ナミハダニはビニール温室のみから,ナンゴクハダニは自然生態系の植物のみから採集された。一方向不和合性の知られているカンザワハダニは7個体群を得たが,いずれも本州のチャ個体群の雄と和合し,クズ個体群の雌と和合しないヤマブキ(kerria)系統であった。本研究ではさらに,ナミハダニモドキが沖縄にも分布するが,本州の個体群との間には著しい生殖不和合性のあることを明らかにした。本研究は,沖縄のダニ相を検討する端緒になると期待される。
  • 藤本 和義
    1996 年 5 巻 2 号 p. 95-98
    発行日: 1996/11/25
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
  • 1996 年 5 巻 2 号 p. 99-103
    発行日: 1996/11/25
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
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